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【FP座談会02】悩める投資初心者の方に届けたい、あなたらしい一歩の踏み出し方

「お金」「投資」にまつわる素朴な疑問や悩みを、経験・専門分野が異なるFPのみなさんにお聞きする座談会企画!第2回は、投資への興味と同時に焦りや不安を感じている方にお届けしたい、「投資」「新NISA」編です。

第1回はこちら

座談会に参加いただいたFPのみなさん

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投資にまわすお金がない……どうすれば?

Q 毎月いろいろな出費があって、資産運用ができていません。投資にお金をまわすコツを教えてほしいです。
(30歳・男性・既婚) 

(編集部)1ヶ月生活していると、支出の多さに驚くことがあります。このお悩みに共感する人も多いのではないでしょうか!?

水野:そうですよね。資産運用にまわすお金を確保するためには、あらかじめ投資資金を確保し、残ったお金で生活するのが理想的ですね。

登:私も水野さんと同じ意見です。これから投資を始めようという30代の方に、多い悩みだと思います。いろいろとお金がかかるし忙しい世代ですので、「できるだけ切り詰めて、余ったら投資にまわす」という考え方だと、おそらく続かないのですよね。そうではなく、「投資資金を引いた残りのお金で生活する」癖をつけることが大切です。

まずは、一歩を踏み出すために投資用の口座を開設しましょう。窓口に行く時間がない方は、インターネットで口座開設ができる金融機関がおすすめです。そして1,000円でもいいから投資を始めてみて、無理のない範囲で5,000円、10,000円……とスモールステップで増やしていくのはどうでしょうか。

登さん

水野:まさに、給与から天引きするようなイメージですよね!


フリーランスとして感じる、投資への不安……

Q フリーランスです。投資を始めたい気持ちはあるのですが、毎月の収入に変動があって、続けられるか不安です。
(28歳・女性・未婚)

(編集部)フリーランスの方の場合、投資初心者の方でも始めやすいとされている積立投資にハードルの高さを感じることもありそうです。

水野:毎月の収入に変動があるフリーランスの方の場合、会社員のように毎月一定額を投資にまわすという考え方は難しいかもしれないですね。一方で、あえてフリーランスという道を選ぶのであれば、「収入アップを目指す」のが第一優先かなという気がします。

長島:投資が「お金に働いてもらう」こと、つまりお金がお金をうむことだとすると、自己スキルアップへの支出は、まさに自分自身への投資になります。そうやって稼ぐ力を高めていくのがフリーランスの正しい一つの姿なのかなと思います。

尾崎:私も会社員からフリーランスに転向したので、この方の気持ちが分かる気がします。水野さんや長島さんの言うように、自分に投資する方が収入増につながる、つまり「利回りいい」可能性があるというアドバイスを聞くと、一度は納得されるのかなと思います。でも、しばらくして投資に関する情報を見聞きしたり投資をしている友人の話を聞いたりすると、「本当にいいのかな」と揺れ動く気持ちがすごく大きくなってしまいそうです。もしそうであれば、少額でもいいから投資を始めてみることで、安心感を得られるかもしれないですね。

尾崎さん

登:そうですね。先ほどの方と同じように、まずは無理のない範囲で月1,000円から始めてみるのでもいいかもしれませんね。もちろん、自己投資をすることにも賛成です。資格取得を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、私は自分が身につけたいスキル分野の仕事に挑戦してみるのをおすすめします。そうすると、実践で力をつけられて、実績ができて、営業活動につながりやすいですね。

長島:今の仕事の周辺業務や、親和性の高いものから考えてみるとよさそうですね。例えば、Webライターであれば取材ができるようになるとか、動画編集者であれば絵コンテも描けるようになるとか。今の仕事の延長上で「これができたら売上が増える」というものが、きっとあるはずです。

長島さん


新NISAの2つの枠、おすすめの使い方は?

Q 新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がありますが、どのように使うとよいでしょうか?
(40歳・男性・既婚)

(編集部)この方の投資経験によってもアドバイスが変わってくるのかなと思いますが、どうでしょうか。

登:限られたプロフィールから、毎日忙しく働いている方かなと推察します。そうすると、定期的に運用状況を確認したりするのは手間ですよね。「つみたて投資枠」で長期の積立・分散投資に適した投資信託に投資をするのがよさそうです。1度設定をすれば、基本的に自分が手を動かす必要がありません。私はよく、「歯磨き以下の労力で」と言っているのですが、忙しい方ほど自分にとって楽な仕組みを取り入れることをおすすめします!

水野:投資初心者の方は、「つみたて投資枠」から枠を埋めていくのがいいと思います。いきなり「成長投資枠」で個別株式を購入するのは、おすすめしません。あとは、今はスマホでいつでも株価などを確認できるので、値動きに一気一憂してしまい仕事のパフォーマンスに影響してしまう方がいます。そういう方にも、「つみたて投資枠」を活用した、長期積立投資をおすすめしたいですね。

水野さん


投資情報が多すぎる!どうすればいい?

Q メディアやSNSを見ると投資情報があふれていて、どのように活かせばいいのか分からなくなります。
(30代・女性・独身)

(編集部)情報収集に熱心な方のようですね。さまざまな意見やアドバイスを見聞きすると、迷いが出てしまいそうです……!

尾崎:情報の精査をした上で、私は気になる銘柄があったら少額で試してみるようにしています。というのも性格的に、「あのとき、買っていればよかった!」と後悔してしまうので。結果、失敗だと感じても、少しでも自分の糧になればいいと考えています。

登:「お金を増やしたい」という欲求は多くの人にあって、周りに影響もされやすいのですよね。取材をしたある投資家さんは、金融商品の情報を得たときに「数日間は寝かせる」と話していました。とても信頼している人からの情報だとしても、すぐに買わずに調べたり冷静になって考えたりするそうです。例えば、夜にネットショッピングで爆買いをしてしまった経験がある方もいると思いますが、夜は購入せずにカートに入れたままにしておいて、翌朝になって本当に必要かを考えるイメージですね。

水野:情報を取捨選択するためには、ご自身で判断するための知識を身につける必要があるかなと思います。私は20代半ばで相続を受けたのですが、ある営業員にすすめられて言われるがまま投資を行い、大半を失った経験があります。そこから専業トレーダーを目指して勉強を始めたわけですが、今も「誰かに惑わされず、自分で判断する」を教訓にしています。私のところに相談に来られる投資経験を積まれている方を見ていても、みなさん自分で判断する力をお持ちだと感じます。


売るタイミングって、どう考えればいい?

Q 新NISAを始めました。売るタイミングは、どのように考えればいいですか?
(40歳・男性・既婚)

 

(編集部)長期投資をしたいと考えている方でも、5年、10年という間にはライフスタイルや環境に変化があって、お金が必要になる場面もありますよね。

水野:売却を考えていない人ほど、資産を増やしているという傾向があると思います。ただ、新NISAはいつでも売却することができるので、教育費として使う、車の購入費にする、家の頭金にする、旅行費用にする、でいいのではないでしょうか。

登:そうですね。必要に応じて引き出していけばいいのかなと思います。「つみたて投資枠」で、長期積立投資の効果を最大限に活かすのであれば引き出さない方がいいという面はありますが。

尾崎:私も新NISAを活用していますが、運用成果を意識しながらも、ライフプランに合わせて使っていきたいと考えています。

水野:デイトレーダーや投資家のSNSなどを見ていると、投資残高が強調されているので「増やせば増やすほどいいのではないか」と影響を受ける方もいるかもしれません。トレーダーのみなさんは、「お金」がトレーディングを行う武器になるので、そういう考え方になりますが、本来「お金は使ってなんぼ」だと思うんです。自分の人生、家族の人生のために上手に使っていきたいですね。


まとめ

FPのみなさんから、「投資にお金をまわすコツ」「新NISAの枠の使い方」など、投資初心者の方に向けたヒントをたくさんいただくことができました。次回は、いよいよ最終回!「初めてのFP相談には、夢と家計簿を持って行こう!」をお届けします。お楽しみに!


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