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【リスキリングとは?】必要な理由や事例、役立つ資格を紹介!

リスキリングとは、必要とされるスキルや知識を習得することです。DX化の推進が急がれる現代日本では、ITやDXに関する知識・スキルを有する人材の確保が必要不可欠とされています。リスキリングでは主にITスキルやデジタルマーケティングスキルなどの習得が人気です。

近年、ビジネス分野で「リスキリング」というキーワードが注目を集めています。 

海外では比較的メジャーな単語ですが、日本で浸透し始めたのはつい最近で、どのような意味なのか、なぜリスキリングが必要とされているのか、理解している方はさほど多くないかもしれません。 

この記事では、今話題のリスキリングについての概要や、導入する流れ、導入事例について解説します。

「リスキリング」とは

リスキリングは、「職業能力の再開発、再教育」を意味するReskillingを語源としており、 経済産業省では

「新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に対応するために、必要なスキルを獲得すること」[注1] 

[注1]経済産業省「リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流─」https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf

と定義しています。

「リカレント教育」や「OJT」との違いは?

リスキリングと混同されることの多い言葉の例として、リカレント教育やOJTがあげられます。リカレント(recurrent)とは、「循環する」「繰り返す」といった意味の英単語で、

「学校教育から一度離れた後も、必要なタイミングで学習し直し、仕事で求められる能力を磨き続けていく」ための社会人の学びが「リカレント教育」[注2]

[注2]厚生労働省「リカレント教育」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18817.html

と呼ばれています。

必要なスキルを学び直すという点は共通していますが、リスキリングはどちらかと言うと業務と並行してスキルを習得するのに対し、リカレントは一度仕事を離れ、然るべき教育機関で学習に専念するケースも多い点に違いがあります。

一方、OJTとはOn the Job Trainingの略称で、職場の上司や先輩が実際の仕事を通じて部下や後輩に必要な知識・技術を習得させる方法のことで、既存の技術や知識を習得させることを主な目的としています。

なぜ今、「リスキリング」が注目されているのか?

近年、リスキリングが注目されている背景には、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進があります。

インターネットが広く普及し、ビジネスでも活用されている今、IT技術を駆使して新しい価値やビジネスモデルを生み出している企業は少なくありません。

一方で、既存の企業の中にはITに関して詳しい人材がおらず、未だに旧態依然のビジネスモデルを続けているところも多く見受けられます。

企業が生き残るためには、ITやDXに関して造詣の深い人材を確保し、DX化を推進していく必要があります。

リスキリングは、不足しているDX人材を育成し、企業の成長・発展に繋げていくためのひとつの手段として注目されています。

また、「経済財政運営と改革の基本方針2022」でも、リスキングに相当するスキルアップや多様な働き方の推進について言及があったほか[注3]、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でも、2030年までに10億人のリスキルを目指す「リスキリング革命」が発表されるなどして話題を集めています。
[注3]内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2022」P1
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/summary_ja.pdf

DX時代に欠かせないリスキリング。「何」を学ぶべきか

リスキリングは特定のジャンルや能力に限定されない言葉ですので、まず「何」を学ぶべきかが重要なポイントになります。

ここではDX時代に欠かせないリスキリングで特に学んでおきたいスキルを3つご紹介します。

1. ITスキル

DX化で必要不可欠なITスキルは、優先的に学びたい能力のひとつです。

代表的なものにはプログラミングスキルがあり、業務でトラブルが生じた際にスムーズな対応が可能となるほか、ロジカルシンキングや課題解決能力なども養えるというメリットがあります。

プログラミングに関する資格は複数あり、IT人材として必要な基礎知識や技能を、実践的な活用能力として有することの証となる「基本情報技術者試験」や、ITを利活用する人が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる「ITパスポート」などがあります。

2. マーケティングスキル

マーケティングスキルにもいろいろな種類がありますが、中でもインターネットやIT技術を駆使したデジタルマーケティングのスキルが注目されています。

メールやSNS、Webサイトなどを使ったマーケティングは、従来のアナログなマーケティングとは手法が異なり、デジタルマーケティングのスキルを磨くことで、データを分析したり、今の時代に沿ったアプローチ方法を的確に掴んだりする能力を養うことができると考えられます。

デジタルマーケティング関連の資格には、マーケティング・ビジネス実務検定やWebアナリスト検定などがあります。

3. データ分析

前述のデジタルマーケティングとも関連するのが、データ分析に関するスキルです。収集した情報を分析し、必要に応じて整理・加工するデータ分析は、DX化に欠かせないスキルのひとつです。

近年はインターネットやITの活用により、短期間で膨大なデータを入手することが可能になりましたが、そのぶん集めたデータの分析や整理には多大な労力と時間、そして専門的なスキルが必要となっています。

データ分析の効率的なやり方をマスターすれば、大量のデータを上手く活用し、販売戦略や経営戦略の組み立てに貢献することも可能です。

データ分析に関連する資格には、前述の基本情報技術者試験のほか、データベーススペシャリスト試験などがあげられます。

企業としてリスキリングを導入するメリットとプロセス

企業がリスキリングを導入した場合のメリットと、導入する際の大まかな流れをご紹介します。

リスキリングを導入するメリット

社内でリスキリングを導入すると、これまでにない新しいスキルの習得にともない、新たなアイデアや画期的な考えが生まれやすくなります。

多様化するニーズに対応するために、新しいビジネスモデルを確立し、企業の価値を高めていく中で、リスキリングによって新たな商品やサービスが開発される可能性があります。

また、リスキリングで習得したスキルによって企業内のDX化が加速することで、アナログだった業務の手間が省略され、業務の効率化につながります。

リスキリングは既存の従業員に取り組んでもらうものなので、新たな人材を採用しなくても、必要な人材や能力を確保できるところもリスキリングならではの利点です。

導入事例

リスキリングを実際に導入した企業の例をご紹介します。

1. デジタル人材を育成する会社を設立

ある電機メーカーでは、DX化推進のために、新たにデジタル人材を育成する新会社を設立しました。

当該企業のグループには10万人を超える従業員がいますが、その全員を対象に、設立した新会社にてDXの基礎教育を施しています。

2. 国家資格取得を目指すDX教育

ある金融機関では、全従業員に対し、社内におけるDX教育を開始しました。

基本的な知識はもちろん、将来的にはITに関する国家資格の取得を目指せるような高度な教育も行っており、ITおよびDXに関するプロフェッショナルの育成を目指しています。

まとめ

経済産業省は、国内企業のDX化が遅れた場合、2025年には最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性を指摘しています。[注4]

「2025年の崖」と言われるこの問題を解決するためには、各々の企業がDX化を推進していかなければなりません。

そのためには、DX化に必要な知識・スキルを持った人材を確保し、計画的にプロジェクトを進めていく必要があります。

また、働き手側にとっても、新しい知識やスキルを習得することでより多くの場面で活躍できるようになったり、現在携わっている仕事を今までと違った視点でとらえることで、新たな価値を見出したりできると言えるでしょう。

リスキリングには相応の時間がかかりますので、企業側も働き手側もなるべく早い段階で取り組みを開始しましょう。

[注4]経済産業省「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」p2
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf


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