10月14日はスポーツの日、スポーツ選手の気になる給与事情は?
2024年の「スポーツの日」は10月14日です。ニュース番組では、各プロスポーツにおけるスター選手の活躍が連日話題になっています。なかには「プロスポーツ選手はどれくらい稼いでいるのだろうか」と気になっている人もいるかもしれません。
そこで今回は、人気が高い5つのプロスポーツの給与事情についてランキングを交えて紹介します。
プロスポーツ選手がもらう「年俸」とは?
2024年に大リーグの大谷翔平選手がドジャースと10年で総額7億米ドル(1米ドル150円換算で1,050億円)の契約を結んだことでプロスポーツ選手の年俸が改めて注目されています。年俸とは、年間に支払われる給与をあらかじめ決める制度のことで、年俸額を12ヵ月で割った分の月給を支払うのが一般的です。
プロスポーツでは、年俸制だけでなく月給制や賞金制のスポーツもあります。さらにCM出演や後援会から支援を受ける場合の収入もあり、一流選手の年収は計り知れません。
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日本プロ野球選手、平均年俸4,713万円
ここからは、日本のプロスポーツの給与事情を見ていきましょう。プロ野球は、昔から人気があり、現在もプロスポーツのなかで年俸が断トツに高いのが特徴です。
平均年俸
日本プロ野球選手会のデータによると、2024年の全球団の支配下選手平均年俸は4,713万円です。前年比で5.5%の増加となっています。なかでもソフトバンクと巨人の2球団の年俸が突出しており、全体を引き上げています。1位のソフトバンクと最下位の日本ハムでは、倍近い開きがあり球団格差が大きいといえるかもしれません。
<プロ野球の球団支配下選手の平均年棒>
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\begin{array}{|l|l|l|} \hline
\text{順位} & \text{球団名} & \text{平均年俸} \\ \hline
\text{1} & \text{ソフトバンク} & \text{6,806万円} \\ \hline
\text{2} & \text{巨人} & \text{6,243万円} \\ \hline
\text{3} & \text{阪神} & \text{5,595万円} \\ \hline
\text{4} & \text{ヤクルト} & \text{5,090万円} \\ \hline
\text{5} & \text{オリックス} & \text{4,538万円} \\ \hline
\text{6} & \text{DeNA} & \text{4,456万円} \\ \hline
\text{7} & \text{楽天} & \text{4,397万円} \\ \hline
\text{8} & \text{中日} & \text{4,309万円} \\ \hline
\text{9} & \text{西武} & \text{4,116万円} \\ \hline
\text{10} & \text{広島} & \text{3,881万円} \\ \hline
\text{11} & \text{ロッテ} & \text{3,635万円} \\ \hline
\text{12} & \text{日本ハム} & \text{3,483万円} \\ \hline
\text{} & \text{全球団平均} & \text{4,713万円} \\ \hline
\end{array}
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平均年俸の推移
プロ野球選手の平均年俸は、どのように推移してきたのでしょうか。同じく日本プロ野球選手会のデータによると以下のグラフのような右肩上がりで推移を示しています。
全球団支配下公示選手の平均年俸は、1980年の602万円から2024年の4,713万円まで、一時的に下がる局面もありましたが、基本的に右肩上がりで推移してきました。44年前との比較では約7.83倍に増加。特に2021~2024年の3年間は3.3~5.5%増加しています。
2024年推定年俸ランキングTOP10(推定のためメディアによって金額が異なる場合があります)
個別選手の推定年俸では、ソフトバンク勢の躍進が目立ちます。
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\begin{array}{|l|l|l|l|} \hline
\text{順位} & \text{選手名} & \text{球団名} & \text{推定年俸} \\ \hline
\text{1} & \text{R.オスナ} & \text{ソフトバンク} & \text{10億円} \\ \hline
\text{2} & \text{坂本 勇人} & \text{巨人} & \text{6億円} \\ \hline
\text{2} & \text{村上 宗隆} & \text{ヤクルト} & \text{6億円} \\ \hline
\text{4} & \text{柳田 悠岐} & \text{ソフトバンク} & \text{5億7,000万円} \\ \hline
\text{5} & \text{近藤 健介} & \text{ソフトバンク} & \text{5億5,000万円} \\ \hline
\text{6} & \text{浅村 栄斗} & \text{楽天} & \text{5億円} \\ \hline
\text{6} & \text{G.ポランコ} & \text{ロッテ} & \text{5億円} \\ \hline
\text{8} & \text{山田 哲人} & \text{ヤクルト} & \text{5億円} \\ \hline
\text{9} & \text{有原 航平} & \text{ソフトバンク} & \text{5億円} \\ \hline
\text{10} & \text{岡本 和真} & \text{巨人} & \text{4億2,000万円} \\ \hline
\end{array}
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Jリーグプロサッカー選手、平均年俸3,198万円
プロ野球と並ぶ人気スポーツがプロサッカーのJリーグです。Jリーグ後には、人気でプロ野球に肉薄し、年俸も億単位の選手が続出しています。
2024年平均年俸
2024年度のJリーグ所属632選手の平均年俸はおよそ3,198万円というデータがあります。
2024年度J1選手年俸ランキングTOP10(推定のためメディアによって金額が異なる場合があります)
2024年度の個別選手の推定年俸は、以下のとおりです。トップの大迫選手の3億9,000万円は、プロ野球の推定年俸ランキングと比べると上位10名に入らないため、個別選手の年俸はまだプロ野球に及ばないのが現状と言えるでしょう。
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\begin{array}{|l|l|l|l|} \hline
\text{順位} & \text{選手名} & \text{チーム名} & \text{推定年俸} \\ \hline
\text{1} & \text{大迫 勇也} & \text{ヴィッセル神戸} & \text{3億9,000万円} \\ \hline
\text{2} & \text{エリキ} & \text{町田ゼルビア} & \text{2億8,700万円} \\ \hline
\text{3} & \text{キャスパー・ユンカー} & \text{名古屋グランパス} & \text{2億2,200万円} \\ \hline
\text{4} & \text{武藤 嘉紀} & \text{ヴィッセル神戸} & \text{1億9,500万円} \\ \hline
\text{5} & \text{ランゲラック} & \text{名古屋グランパス} & \text{1億8,500万円} \\ \hline
\text{6} & \text{アンデルソン・ロペス} & \text{横浜F・マリノス} & \text{1億8,000万円} \\ \hline
\text{7} & \text{酒井 高徳} & \text{ヴィッセル神戸} & \text{1億6,500万円} \\ \hline
\text{8} & \text{ミッチェル・デューク} & \text{町田ゼルビア} & \text{1億4,900万円} \\ \hline
\text{9} & \text{アレクサンダー・ショルツ} & \text{浦和レッズ} & \text{1億4,500万円} \\ \hline
\text{10} & \text{山口 蛍} & \text{ヴィッセル神戸} & \text{1億4,500万円} \\ \hline
\end{array}
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Bリーグプロバスケットボール選手、新人の年俸上限460万円
近年は、プロバスケットボール「Bリーグ」の人気も高まっています。しかしプロ野球やJリーグに比べて発展途上のイメージがあり、選手の年俸はほとんど公開されていません。
公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグの「選手契約および登録に関する規定第10条[選手の報酬等]」によると、年俸は以下のように規定されています。
<B1クラブ>
最低年俸は300万円(税抜、以下同)、新人選手のみ上限460万円
<B2クラブ>
最低年俸は240万円、新人選手のみ上限460万円
<U22枠選手>
最低年俸は300万円、460万円を上限とする
Bリーグ選手の年俸では、千葉ジェッツの富樫 勇樹選手が2019年に日本人初の1億円プレーヤーになったことが題になりました。
プロゴルファーの平均獲得賞金、男子1,420万円、女子2,432万円
プロゴルファーは、ここに挙げた5つのプロスポーツでは、最もプレーできる年齢が長いといえます。なぜなら50歳を超えるとシニアツアーに参加できるからです。プロゴルファーの収入は、年俸ではなく獲得賞金です。ランキング全選手の平均獲得賞金は、男子(215人)が1,420万3,236円、女子(166人)が2,432万517円で女子が1,000万円弱多くなっています(注)。
これは、「男子の選手数が多く相対的に平均値が低めに出る」という事情があります。個別選手の獲得賞金TOP10は以下のとおりです。男子で5名、女子で7名1億円プレーヤーがいますが、半面100万円以下の選手も多数おり、賞金制スポーツの厳しい現実も見えてきます。
(注)以下のデータを基にニッセイアセットが算出
男子:JAPAN GOLF TOUR「ツアー部門別データ 2023 賞金ランキング(海外メジャー含む)」
女子:JLPGA「年間獲得賞金」
2023年度国内男子獲得賞金ランキングTOP10
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\begin{array}{|l|l|l|} \hline
\text{順位} & \text{選手名} & \text{獲得賞金} \\ \hline
\text{1} & \text{中島 啓太} & \text{1億8,498万6,179円} \\ \hline
\text{2} & \text{蝉川 泰果} & \text{1億5,581万9,749円} \\ \hline
\text{3} & \text{金谷 拓実} & \text{1億4,116万2,332円} \\ \hline
\text{4} & \text{ソン・ヨンハン} & \text{1億1,054万5,499円} \\ \hline
\text{5} & \text{今平 周吾} & \text{1億204万3,499円} \\ \hline
\text{6} & \text{平田 憲聖} & \text{7,923万6,243円} \\ \hline
\text{7} & \text{鍋谷 太一} & \text{7,349万9,300円} \\ \hline
\text{8} & \text{稲森 佑貴} & \text{7,284万9,628円} \\ \hline
\text{9} & \text{永野 竜太郎} & \text{7,206万7,027円} \\ \hline
\text{10} & \text{石川 遼} & \text{6,938万8,441円} \\ \hline
\end{array}
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2023年度国内女子獲得賞金ランキングTOP10
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\begin{array}{|l|l|l|} \hline
\text{順位} & \text{選手名} & \text{獲得賞金} \\ \hline
\text{1} & \text{山下 美夢有} & \text{2億1,355万4,215円} \\ \hline
\text{2} & \text{岩井 明愛} & \text{1億6,944万9,079円} \\ \hline
\text{3} & \text{申 ジエ} & \text{1億6,356万8,277円} \\ \hline
\text{4} & \text{小祝 さくら} & \text{1億2,323万3,079円} \\ \hline
\text{5} & \text{岩井 千怜} & \text{1億1,971万3,289円} \\ \hline
\text{6} & \text{櫻井 心那} & \text{1億1,230万7,733円} \\ \hline
\text{7} & \text{菅沼 菜々} & \text{1億154万149円} \\ \hline
\text{8} & \text{吉田 優利} & \text{9,716万5,228円} \\ \hline
\text{9} & \text{稲見 萌寧} & \text{8,891万3,694円} \\ \hline
\text{10} & \text{桑木 志帆} & \text{8,671万2,559円} \\ \hline
\end{array}
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大相撲の関取(十両以上)、年間給与は十両で1,320万円
大相撲の給与は、典型的な階級制度を導入しています。番付によって給与水準は大きく異なり、番付が上がれば自動的に給与も上がるのが、ほかのスポーツと異なる点です。以下の金額は、月給のみの数字で、このほかにボーナスや各種手当、「力士報奨金」という成績によって加算される収入などがあるため、実際の年収は異なります。
実力次第で高年収が可能だが不安定なのがプロの世界
成績によって年収が変動するプロスポーツの世界は、選手にとって収入が不安定なことも事実です。体力の限界を感じれば、30~40代で引退するスポーツもあります。つまりプロになったからといっても安泰だとは言えません。しかし年収が不安定なことは、一般人も変わらないといえます。なぜなら昔のように1つの会社に定年まで勤務する「終身雇用」のスタイルが崩れつつあるからです。
このような不安定な社会にあっては、将来を見据えた資産運用が求められます。将来のために備える資産形成に適しているのが「積立投資信託」だといえます。積立投資信託は、株式のように値動きを見ながらその都度投資するのではなく毎月一定の資金で投資信託を買い続ける投資方法です。
将来の資産形成のために新NISA(少額投資非課税制度)を活用して積立投資信託による資産運用を検討してはいかがでしょうか。
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※記事中の年俸等のデータは推定を含む一例です。参考程度にご覧ください。