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「AFCアジアカップ2024」の開催国、カタールってどんな国?

2024年4月に開催されるサッカーの国際大会「AFC U23アジアカップ カタール2024」。同大会の上位3カ国は自動的に「パリオリンピック2024」の出場権を獲得するということもあって、大きな注目を集める大会となりそうです。今回の開催地は、中東に位置するカタールですが、私たち日本人にとってはあまりなじみのない国ともいえそうです。そこで、今回はカタールについて調べてみました。

日本サッカー界において、悲劇と歓喜が起こった首都ドーハ

カタールは、アラビア語で「点・部分」という意味があり、ペルシャ湾に突き出したカタール半島にあることが国名の由来です。面積は、1万1,427平方キロメートルで、これは日本の秋田県よりもやや狭い面積に相当します。人口は約300万人(2023年3月/カタール開発計画・統計省)で言語はアラビア語、時差は日本より6時間遅れ(サマータイムはなし)です。高温多湿な夏季(7~8月)には、気温が50度近くまで上昇することもあるそうです。

カタールの首都はドーハですが、この「ドーハ」は、日本のサッカーファンにとっては忘れられない地名でもあります。近年、カタールは国際的な認知度を高めるために、スポーツ大会の開催や国際会議の参加を積極的に推し進めています。

1993年にはドーハのアル・アリ競技場で「FIFAワールドカップ・アメリカ大会」のアジア最終予選が行われました。最終節のイラク戦を首位で迎えた日本でしたが、アディショナルタイム(ロスタイム)でイラク代表に同点ゴールを決められて、惜しくも本選出場を逃してしまいます。これが「ドーハの悲劇」として、日本サッカー史上で今でも語り継がれています。

その後、2022年には「FIFAワールドカップ」がカタールで開催。ここでは、日本代表がドイツ代表とスペイン代表に勝利し、決勝トーナメント進出を決めました。翌日のスポーツ紙の一面には、「ドーハの歓喜」という見出しが躍りました。

国土は狭いが裕福な国・カタール

前述したように国土こそ狭いカタールですが、過去には英国の金融経済誌が発表した「世界で最も裕福な国ランキング」で首位になったこともあります。なお、2022年の同ランキングでは、カタールは4位にランクイン、首位はルクセンブルグでした。国の豊かさを示す一般的な指標には、「国民1人当たり名目GDP(米ドル)」がありますが、同ランキングではそれ以外のさまざまな指標を加味してランキングしているようです。

カタールの経済を支えているのは、天然ガスと石油です。特に液化天然ガス(LNG)では、世界最大の輸出国となっています(世界エネルギー報告/英エネルギー研究所)。豊富な天然資源を有していることで、カタール国民は電気代や水道代、医療費や教育費が無償となっており、これも「裕福な国」とされる理由のひとつになっているようです。

世界中の投資家が注目するオイルマネーとは?

2022年に開催された「FIFAワールドカップ」では、スタジアム建設を始め、ハード面に投資した関連費用は日本円にして30兆円にも上ったと言われています。産油国が輸出で得た資金のうち投資に充てる資金のことを「オイルマネー」と呼びますが、まさにワールドカップ招致は、オイルマネーの力によるものといえるでしょう。

また、カタールには「カタール投資庁」と呼ばれるオイルマネーを原資とした政府系ファンドがあり、世界各国への投資機会を模索しています。

2023年6月には、日本の旧日立製作所系の半導体メーカーであるKOKUSAI ELECTRIC(東京都千代田区)にカタール投資庁が少数株主として出資することが明らかになりました。また、少し古い話ですが、2011年にはカタール投資庁の子会社である「カタール・スポーツ・インベストメント」が、フランスのサッカークラブの名門「パリ・サンジェルマン」を買収したことでも話題となりました。

カタール通貨に対しても円安が進行中

カタールの通貨は「カタール・リアル」ですが、実はここ10年で日本円に対してカタール・リアル高(円安)が進んでいます。在カタール日本大使館のホームページによると、「カタールの物価は、日本よりもやや高い印象でしたが、物価高騰と円安によって、最近では日本の1.5倍くらい高い感覚です」とあります。2023年12月上旬現在、1カタール・リアル=約41円。つまり、カタール・リアルの価格を約41倍すればおおよその円換算となります。

ちなみに、同ホームページによると、外資系ホテルのレストランでのディナーは日本円にして1万~3万円程度。ショッピングモール内のフードコート(ファストフード)であれば、ドリンク付きのセットで800~1,600円が相場とのことです。

なぜ、ここまで円安が進んでしまったのでしょうか? それは、カタール・リアルが「ドルペッグ性」を採用しているからです。ドルペッグ制とは、自国の通貨レートを米ドルに連動させるペッグ制(固定相場制)のこと。つまり、日本円が米ドルに対して円安となっている現在、カタール・リアルに対しても自動的に同水準の円安が進んでしまうというわけです。

為替相場は2国間の通貨の強弱を示しますが、日本円が米ドルに対して円安(ドル高)となっているのは、日米の金融政策によって日本と米国の金利差が拡大したことが大きな要因とされています。一般的に外国為替市場では、金利の安い通貨を売って、金利の高い通貨を買う動きが起こります。特に最近では、ヘッジファンドやFX(外国為替証拠金取引)などによる投機的な動きも活発で、これが円安(ドル高)を加速させる一因にもなっています。

カタールでは日本のアニメが大人気

2022年に開催された「FIFAワールドカップ」でカタールを訪れたサッカーファンの話によると、カタールでは日本のアニメが人気で、「ドラゴンボール」や「ワンピース」、「鬼滅の刃」などが放映されていたそうです。

また、過去に市民調査団がカタールを訪問し、交流関係を広げた知多市(愛知県)のホームページによると、カタール大学には「ジャパニーズ・クラブ」という異文化交流クラブがあり、学生たちは、新海誠(アニメ作家)や宮崎駿(アニメ監督)、徳川家康や俳句などについて学んでいたそうです。

さて、間もなく開催される「AFC U23アジアカップ カタール2024」。グループの組み合わせ抽選会が2023年11月23日にドーハで行われました。日本はグループBに入り、韓国、UAE(アラブ首長国連邦)、中国と同組となりました。地上波での放映も予定されていますので、スタジアムの様子だけではなく、カタールの街並みや文化なども目にするかもしれません。ここを突破して、ベスト3に入り、パリオリンピックの切符を手に入れてもらいたいものです。ガンバレ日本!





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