みんなはどうしてる?企業型DCの商品選択状況の変化
企業型DCに加入しているみなさんは、どんな商品を選択しているのでしょうか?
今回は、確定拠出年金の運営管理機関連絡協議会から公開された確定拠出年金統計資料(2024年3月末)をもとに、直近の企業型DCの商品選択状況をご紹介したいと思います。
企業型DC 全体の運用商品選択状況
近年、企業型DCで選択できる運用商品の多様化に伴い、預貯金や保険から投資信託等の割合が大きく伸びています。
企業型DC運用商品選択割合(2024.3末)
*投資信託・金銭信託等のうち投資対象がREIT、自社株、コモディティ等の場合「その他」に分類
出所:確定拠出年金統計資料(2024年3月末)確定拠出年金運営管理機関連絡協議会
数値をみると、投資信託等は2021年3月末時点の54.8%から2024年3月末時点では、67.3%になっており、国内外の株式型やバランス型の資産額が増加し、預貯金や保険の割合が減少している傾向があります。
この背景には、加入者自身が投資教育やSNSを通じて投資に関する情報を得やすくなったことや、低金利環境が続く中で、預貯金や保険では十分なリターンが得られないため、リスクをとってリターンを求める傾向が強まっていることが考えられます。
また、運用商品を選ぶ際の基準も変化しています。
以前は、安定性が重視され預貯金や保険が選択されていましたが、投資信託等の情報が得やすくなったことで、過去の運用成績が重視されるだけではなく、 運用商品の手数料が選択の重要な要因となっており、低コストで運用できる商品が好まれる傾向があるようです。
企業型DC運用商品選択割合(2024.3末)
出所:確定拠出年金統計資料(2024年3月末)確定拠出年金運営管理機関連絡協議会
企業型DC 年代別の運用商品選択状況
さらに、年代別にみると運用商品の選択状況は、異なる特徴が見られます。
企業型DC年代別商品選択割合(2024.3末)
出所:確定拠出年金統計資料(2024年3月末)確定拠出年金運営管理機関連絡協議会
- 20代~30代:
20~30代は、企業型DCの受取りまでの期間が長い分、他の年代よりリスクが取りやすく、リターンを求めて商品を選ぶ傾向があります。直近は、外国株式型が20代で27.6%、30代で31.8%と非常に高く、バランス型も20代で25.0%、30代で20.3%と多く選択される傾向です。
この背景には、 SNSやYouTubeなどで投資に関する情報を得やすくなったことも影響しているのではないでしょうか。
- 40代
40代は、退職後の生活資金を考えるようになり始め20~30代よりも安定した運用を意識する傾向が強まります。そのため、リスクを分散し、安定した運用を目指すため国内外の株式や債券型に分散したり、バランス型が選択される傾向が強くなります。
- 50代以上
50代以上は、企業型DCの受取り時期が近づくため資産の保全を重視し、預貯金や保険商品を選ぶことが増え、リスクを避ける傾向が強くなります。
一方で、直近は、定年延長や定年後の就労を継続する方も増加し、それに伴って以前よりも
国内外の株式型等のリスクを取る傾向が強まっています。
まとめ
直近、企業型DCは法改正などもあり、過去数年間で大きな変化を遂げています。
特に、運用商品選択状況は、運用商品の多様化したこと、投資教育やSNSを通じ投資に関する情報が得やすくなったことで、商品の選択基準が変化しているなど、さまざまな要因が影響を与えているのではないでしょうか。
今後も、企業型DCの制度は進化し続け、私たちの将来に大きく影響すると考えられます。自分の将来を考え、賢く資産を運用していくことが今後益々大切になります。みなさんも、今回のコラムをきっかけに企業型DCについて理解を深め、ご自身の資産形成に役立ててみてください。
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