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note運営者リアル対談(セイコーエプソン × ニッセイアセット)【後編】~いつの時代も、キーワードは“心を動かす”~

note記事「スキ」をいただいたことから実現した、エプソンさんとのリアル対談企画。前編での対談中に「社名の由来となったプリンターを見てみたい」とお願いしたことから、「エプソンミュージアム諏訪」をご案内いただき、創業時から現在に至るまでの様々な製品を見学することに。

それぞれの製品の開発経緯と時代背景を知るうちに、企業として情報発信するうえで「大切なこと」に、改めて気づかされました。

前編はこちら

エプソンミュージアムの模様
上條(かみじょう) 寛さん(セイコーエプソン株式会社 総務部 エプソンミュージアム諏訪 館長)
ニッセイアセットマネジメント公式note編集部の山田(左)と貞包(右)

時計、プリンター、プロジェクター…およそ80年間のものづくりに共通する技術へのこだわりと「ワクワク感」

こちらは、同社初の完成品腕時計「婦人用5型」。終戦から5ヶ月後の1946年1月、なんとか4個分の部品を確保して組み立てに挑戦し、朝まで動いていたのは2個だけだったそう。

時計の画像
完成品腕時計「婦人用5型」

そしてこちらが「EPSON」の由来になった、世界初小型軽量デジタルプリンター「EPいーぴー-101」…たしかに小さい! これは、1964年の東京オリンピックの時に開発したプリンティングタイマーが誕生のきっかけになったそう。小型プリンターの将来性に注目し、約4年半の開発期間を経て、1968年9月に発売され、累計販売台数144万台と大ヒット!

EP-101の画像
世界初小型軽量デジタルプリンター「EP-101」

続いて、「ものづくり歴史館」へ。1982年12月に発売された、世界初の液晶テレビウォッチ。「世界一小さいテレビ」として1984年度版のギネスブックにも認定・掲載されたそうです。ただ、当時は「小さくてテレビが見にくい」という声もあったとか!? 時代を先取りしすぎたのかもしれないですね。

テレビウォッチ画像
液晶テレビウォッチ

一方、1984年8月に発売された世界初の液晶ポケットカラーテレビ「ET-10」は、国内外で大きな反響を呼んだそうです。

ポケットカラーテレビ画像
液晶ポケットカラーテレビ「ET-10」

意外だったのは、プロジェクターにまつわるお話です。プロジェクターといえば、ビジネス利用が始まりかと思っていましたが、同社では家庭での使用を想定してビデオ系のプロジェクター開発を進めていたそう。ただ、販促がうまくいかず厳しい状況が続き、プレゼンテーション用途に着目。Windows95にPowerPointが搭載されたこともあり、1994年12月に発売された高性能マルチメディア液晶プロジェクター「ELP-3000」は大ヒット!

高性能マルチメディア液晶プロジェクター「ELP-3000」
高性能マルチメディア液晶プロジェクター「ELP-3000」

打って変わって、こちらはプロジェクターによる映像表現を活かした「ゆめ水族園」。映像、音楽、揺れるスクリーンを組み合わせ、豊かな感覚体験ができるものです。例えば、病院や福祉施設など、自由に外出するのが難しい方の病室や小さな空間を訪問し、投影を行なっているそうです。

ゆめ水族園の模様画像
ゆめ水族園

続いて、プロジェクターによる投影技術とデジタル捺染(なっせん)印刷機を活用した取り組みです。

店頭などで白い浴衣にさまざまな柄を映し出すことで、お客さまは現物がなくても楽しみながら好きな柄を選ぶことができます。さらに、デジタル捺染印刷機で生地にプリントすることで、少量・短納期で生産が可能に。例えば、お子さんが描いた絵を生地に印刷して浴衣に仕立てるような素敵な活用方法も!

着物への活用画像

企業として向き合う、新時代の情報発信

貞包:どの製品も本当にワクワクさせられるものばかりで、またエプソンさんが大切にされている「省・小・精」のものづくりが、脈々と受け継がれていることに感動しました。まさに、「技術は人びとのために」が体現されているのですね。

伊久美:先人の言葉ですね。戦後の厳しい環境下で、いかに新しいものを生み出すかを考え続けてきたDNAのようなものです。

伊久美様写真
伊久美(いくみ) 剛さん(セイコーエプソン株式会社 広報IR部)

貞包:それがきっと、自由な発想の製品開発にもつながっているのですね。一方で時代とともにお客様の価値観も変化すると思います。いま、お客様が求めている価値は、どのようなものだと思いますか?

伊久美:人の心を動かすようなサービスではないでしょうか。「ゆめ水族園」や浴衣の取り組みなどは、まさにそうですね。「ゆめ水族園」は、ある意味、技術者の王道の思考からは外れているものです。「正確に綺麗に投影する」ではなく、映像、音楽、揺れるスクリーンを組み合わせ、やわらかな空間を作り、視覚、触覚、聴覚などを通じて豊かな感覚体験を提供している。一つのプロダクトや技術が、新たな意味を生み出している。ろうそくが、暗闇を照らすものから心の豊かさをもたらすものになったように、弊社もデジタル技術を使って、さまざまな価値提供ができると感じています。

資産運用業界も、投資というものは昔からありますが、新NISAが始まるなど変化があるのではないですか?

貞包:そうですね。個人投資家の皆さんが、老後の資産形成、自分や家族の将来のためにより気軽に始められるような仕組みが増えています。投資が持つ社会貢献や企業の応援につながったり、経済動向を自分ごと化できたりといったメリットにも気づいていただきやすくなっているように思います。

時代とともに投資への注目度が高まっているものの、まだまだ難しくとらとらえられてしまいがちなので、まさに「心を動かす」ためには、より分かりやすく伝える努力や新しい挑戦が必要なのかもしれません。

貞包画像

伊久美:分かりやすく伝える…それが大変ですよね。弊社の社内報でもIRチームを取材して、弊社が上場している理由や、上場企業として果たすべき役割について、「エプソンがいるから、東証プライム市場で投資したいと思われる企業へ」というメッセージと共に、社員に届けたことがあります。

貞包:社員の方の目線に立った質問で構成されていて、スッと入ってくる記事ですよね。本当にエプソンさんは、幅広い記事を掲載されていてすごいです。

伊久美:noteへの転載を始めてから、社内で「載せてほしい」「取材してほしい」という声が増えているので嬉しいですね。個人のSNSでシェアしている社員もいるようです。

貞包:弊社のnoteも、そこを目指したいです。

伊久美:楽しみにしていますね!

貞包:次はまた、noteでお会いしましょう! ありがとうございました。

〜施設情報〜
今回取材で伺った「エプソンミュージアム諏訪」は、完全予約制です。見学希望日より1週間前までWEB予約ができるようになっているので、詳細はWEBサイトをご確認ください。

エプソンミュージアム諏訪


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