「第1回 資産運用業界 生成AI勉強会」を開催しました。
デジタルイノベーション・ヘッドの山田です。
先日、アマゾン ウェブ サービス ジャパン様とファクトセット・パシフィック様との共催で開催された資産運用会社向けイベント ~データアナリティクスから生成AI活用まで~にて登壇させていただきました。
その際に、「資産運用業界を盛り上げるために、生成AI活用の勉強会を開催したいので、ご参加いただけませんか」と呼びかけたところ、合計15社40名以上の方にお集まりいただき、12月12日に無事開催することができました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
当日は、IT/DX、運用、ミドル・バック、経営企画など、幅広い領域の方々にお集まりいただき、資産運用業界における生成AI活用への関心の高さがうかがえました。
勉強会では、まず社内で生成AI利活用を進めるための各社の取り組み状況について情報共有を行い、多くの会社で、生成AI活用の重要性を理解しつつも、実際に導入を進める中、組織内での調整や、既存のAI、ITガバナンスの枠組みとの兼ね合い、費用対効果の考え方などに苦心されている状況が浮き彫りになりました。
これらの課題に対し、各社が創意工夫を重ねながら対応策を模索している状況が見受けられ、より効率的に生成AI導入および利活用を進めるために、業界全体でのベストプラクティスの共有をより進める必要があると再認識しました。
後半では、実際に生成AIを活用した取り組みについて情報共有を行いました。これから検討を始めるという会社が多いなか、積極的なPoCを行っている会社もあり、具体的な活用事例や課題が共有されました。
活用事例の一つ目は提案依頼書(RFP)業務への適用です。多数のファンドに対するRFP対応や、回答期間の短縮化といった課題に対し、生成AIを活用した効率化の可能性が議論されました。過去の回答をベースに差分を更新する方法や、変更箇所を自動でハイライトする機能など、具体的なアイデアも出されました。
また、市況コメントの自動生成に関する論文も紹介され、RAGを活用する際のポイントや回答精度を向上させるための工夫などについて共有されました。一方で生成AIで作成されたコンテンツを対外的に発信する際の著作権や品質管理の課題も議論されました。
今後も、継続的に勉強会を開催し、資産運用業界における生成AIを活用した業務の効率化、高度化を参加各社とともに進めて参ります。