新NISAで使える商品が公表されました~アセマネ会社によるNISA制度改正のポイント解説(10)
このNISA制度改正のポイント解説も10回目となりました。
記事へのアクセス状況を見ると、最近では、既にNISA口座を開設されている方の間で、現在投資している商品が新制度導入後も投資できるのかという点に注目が集まっているようです。
ご参考:新NISAでは使えない商品があるらしいけど、影響はどうなる? ~ アセマネ会社によるNISA制度改正のポイント解説(4)
本日(6/21)より投資信託協会において成長投資枠での適格商品の公表が始まりましたので、あらためて新旧制度での投資対象の差異をまとめました。
制度改正前後で変わる投資適格商品
つみたてNISAを利用されていた方への影響
つみたてNISAを利用されてきた方については、制度改正前後で使えなくなる商品はありません。
新制度になって「つみたて投資枠」で積立を継続することは勿論、「成長投資枠」で、つみたてNISAで利用してきた商品を積み立てることも可能です。
成長投資枠では、余裕資金を活用して、一括で購入することも可能となります。
これまでつみたてNISAを利用されていた方にとっては、新制度で成長投資枠を利用して、これまで投資してこなかった新たな商品を買い付けようというときに、「その商品は投資できるのか」ということを考えれば良いだけです。
(投資できる銘柄か否かは後述の「一般NISAを利用されてきた方への影響(新NISAで新たに投資できる商品)」をご覧ください。)
一般NISAを利用されてきた方への影響
まず、大前提ですが、現行制度で投資した銘柄については、一切影響をうけません。
前掲の表のとおり、一定の商品が利用できなくなりますが、「新制度で買い付けることができなくなる」だけであって、既に現行制度で買い付けたものまで、NISA口座から外れるということではありません。
「せっかくNISA口座を使っていたのに、来年になったら非課税じゃなくなるのではないか」とご心配の方。そんなことにはなりませんので、ご安心ください。
一方で、新制度の成長投資枠においては、一般NISAと比べると投資対象が狭まります。
現行制度で買付できていた商品の一部が新たに購入することができなくなってしまいます。
例えば、上場株式については、「整理銘柄」「監理銘柄」である場合に買付ができなくなります。
ちなみに、整理銘柄とは証券取引所での上場廃止が決まった銘柄、監理銘柄とは上場廃止基準に抵触しそうな銘柄で証券取引所が指定するものを言います。
投資信託については、現行制度と同様にMRFなどの公社債投信が対象にならないのは変わりませんが、以下の投資信託については、新NISAでは成長投資枠でも対象外となります。
・信託期間20年未満の投資信託
・毎月分配型の投資信託
・デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等
新NISAの要件を満たす投資信託の探し方
何千本もある投資信託商品のなかで、どの商品が要件を満たすのか否かを調べるのは大変です。また、外形的に適合しているように見えても、運用会社がデリバティブの利用目的の変更や繰上償還を予定していたりする場合もあるため、長期にわたってNISA口座で投資できる商品を探し出すのは簡単ではありません。
そこで、成長投資枠で投資できる投資信託商品については、運用会社からの申請に基づいて、投資信託協会より纏めて公表することとなったようです。
本日(6/21)より特設ページで、成長投資枠適格の商品が公表されていますので、新制度で投資しようと考える商品が適格か否かを確認いただくと良いでしょう。
なお、本日公表された投資信託の商品数は1,032本(非上場投資信託941本、ETF54本、J-REIT等37本)です。
【投資信託協会】NISA成長投資枠の対象商品
未だ公表していない運用会社もあり、今後も対象は広がってくると思われます。
なお、これからも1カ月に1回程度の頻度で更新(追加)されていくようですので、随時ご確認ください。
【投資信託協会】NISA成長投資枠対象商品リストの更新スケジュール
やや不透明であった投資対象商品について本日の公表で見えてきたことで、今後はつみたて投資枠と成長投資枠をどのように併用すると良いのかといったところに注目が集まりそうですね。
また、新たにNISA口座を開こうという方にとっては、どの金融機関で開設するのがよいかといったところが気になるところかもしれません。
【マクロミル公式note】結局どこに投資したらいい?NISAを始めるときのお困り要因~NISA利用者調査~
なお、今回の記事は筆者個人の見解であり、当社の公式な見解を示すものではありません。
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