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2月22日は、NTTドコモが「iモードサービス」を開始した日

2月22日は、携帯電話を「通話デバイス」から、EC・メール・電子決済などの「プラットフォーム」へ進化させた「iモード」をNTTドコモがスタートしてから、25年目になります(iモードは2019年9月30日で新規申し込み終了)。

みなさまもご存じの通り、携帯端末の主流は、おもにポケベル→携帯電話(PHS)→スマートフォンへと変遷し、スマートフォンの保有割合は8割を超えるまでに普及しました(※1)。また、インターネット利用機器の種類においても、スマートフォンでの利用は82.5%にまで拡大し、パソコンの57.9%を大きく引き離しています(※2)。“ネット接続されたスマホ”という今では多くの生活やビジネスの前提となっているプラットフォームがこれほどまでに普及したのは、デバイスの進化だけではなく、「iモード」が多くの利用者に受け入れられたことがきっかけとなっているのではないでしょうか。

今回は、モバイルインターネットの爆発的な普及に貢献した「iモード」の軌跡を振り返りつつ、未来について考えたいと思います。

※1令和4年情報通信白書https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd238110.html

※2令和3年通信利用動向調査報告書(世帯編)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202100_001.pdf


パソコン中心だったオンラインサービスが「ケータイ」で利用できる

iモードの登場までは、「インターネットを使う」となれば電話線のつながれたパソコンの前に座り、パソコンを起動し、メーラーやブラウザを立ち上げる、という動作が当たり前で、本サービスの開始時、当時大学生だった筆者は「外出先でメールを確認できる」くらいの可能性しか感じていませんでした。

「外出先でメールが確認できる」といえば、当時はPDA(Personal Digital Assistant:小型情報端末)を、PHSを経由してインターネットに接続する、という方法がありました。筆者も電子辞書のようなPDA端末にPHSデータ通信カードを差し込んでインターネットを利用した経験がありますが、画面も白黒で文字を打つのも読むのも大変だった記憶があります。

エンタメコンテンツの登場で、モバイルインターネットの裾野が広がる

前述のように「メール」が中心だったモバイルインターネットの利用者は、主に男性、さらにはビジネスパーソンが多かったように思いますが、エンタメ系のコンテンツが登場すると風景が様変わりしました。「着メロ」「着うた」を中心とする音楽系コンテンツや、スキマ時間でも楽しめるケータイ小説や占いコンテンツ、さらには絵文字の登場により、女性にも学生にもモバイルインターネットは広がっていったように思います。

2004年7月、ケータイでモノが買える

2004年7月、iモード用ICチップを携帯電話に搭載し、ICカード上のみで展開されてきた交通機関決済や電子マネー、個人情報などの各サービスを携帯電話において実現できるiモードFeliCaサービスが開始され(※3)たことで、決済領域でも変革をもたらしました。現在、モバイル決済はバーコード決済が主流(※4)となっていますが、「ケータイで決済」という顧客体験の日常化に、大きな役割を果たしたと言えるでしょう。

バーコード決済が普及する前の2016年、バーコード(bitcoin)決済したときの様子(筆者撮影)

※3 NTTドコモ歴史展示スクエア
http://history-s.nttdocomo.co.jp/list_imode.html

※4 令和4年[参考・2月(確報)]店頭購入及びキャッシュレス決済に関する意識調査結果https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/price_measures/assets/price_measures_220316_0001.pdf

モバイルインターネットの未来とは?

ここからは、モバイルインターネットの未来について、最新のテクノロジーを交えながら考えていきたいと思います。

無線・ワイヤレス給電

「バッテリー切れ」は、ガラケーの時代から多くのユーザーの悩みだったのではないでしょうか。そんな古くて新しい悩みを解決する技術が「無線・ワイヤレス給電」です。

スマートフォンを始めとした電子機器の充電は、有線での接続や、ワイヤレスであっても機器との接触が必要となり、場所の制約が発生しますが、これを解消する技術が「無線・ワイヤレス給電」です。

現在、様々な企業・機関で研究が進んでいますが、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、エヌアイシーティー)の「Beyond 5G研究開発促進事業」に係る令和3年度新規委託研究の公募(第1回)にも採択されている、ソフトバンク株式会社、国立大学法人京都大学および学校法人金沢工業大学の取り組みでは、2022年10月に、システムの開発と実験に成功した、と発表しています。送信距離はまだ5m程度とのことですが、外出先でもバッテリー切れの心配から解放される日も近いかもしれません。

※5 2022年10月7日ソフトバンク株式会社、国立大学法人京都大学、学校法人金沢工業大学 プレスリリースより

6G通信

2020年3月から5G(第5世代移動通信システム)がスタートしたばかりですが、6Gについても既に通信会社での研究がスタートしています。

主な要件は、通信速度が最大100Gbps超(5Gの約10倍)であることに加え、消費電力や遅延性、信頼性についても5Gより大幅に性能を向上させるものとなっています(※6)。

サービス実現は2030年ごろとのことで、メタバースやARグラスの更なる普及や、リモートによる遠隔地医療なども本格化するかもしれませんね。

※6 NTTドコモ 5G Evolution & 6G

まとめ

【筆者紹介】
山田智久:大手証券会社入社後、ネット銀行立ち上げを経て、大手小売業にて複数の大型DXプロジェクトに従事。2022年よりニッセイアセットマネジメントにて資産運用に関するDX業務を担当。CFP🄬認定者。UX検定™保有。


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