推し活をしている人の約半数が株式・投資信託の購入経験あり。投資に最も積極的な年代は?
Google Trendsで過去5年間の「推し活」の検索状況を調べてみると、2021年以降から右肩上がりとなっています。
このようなトレンドを踏まえてニッセイアセットマネジメントでは、推し活に年に6万円以上をかけている1,600人を対象に投資意欲などの調査を実施しました。
【調査対象】アイドル・スポーツ選手などへの推し活に年6万円以上を使用している方
【調査方法】マイボイスパネルを対象としたWEBアンケート調査
※抽出した対象者にメールで協力依頼を行い、目標回収数に達するまで回答をWEBで受け付ける手法。
※調査は「スクリーニング調査」と「本調査」を一本で実施。
【調査時期】2024年7月12日(金)~7月17日(水)
【回答者数】1,600名
【調査機関】マイボイスコム株式会社
50代がアーティストやスポーツ選手への「推し活」を行っている結果に!
はじめに推し活でどのようなカテゴリーが支持を得ているのかについて確認しましょう。全体における人気の推し活カテゴリーのベスト3は、1位がアイドル(30.0%)、2位はアーティスト(24.5%)、3位がアニメキャラ・ゲームキャラ(14.1%)でした(下表参照)。
年代別の「推し活の人気カテゴリー1位」を見ると、20代と30代はアイドル(30%台)、それ以上の年代はアーティスト(40代/28.8%、50代以上/37.0%)という結果になりました。性年代別の「推し活の人気カテゴリー傾向」では、女性20代の48.0%がアイドル推し、男性50代以上と女性40代・50代以上の約4割がアーティスト推しとなりました。
「推し活」にかけるお金はどれくらい? 年間8万~10万円が27.4%
対象者に「推し活に年間どれくらいの金額をかけているのか」についてもうかがいました。推し活にかける金額の最多は「年間8万~10万円未満」で27.4%。推し活にかける金額が「年間6万~15万円未満」の範囲の人が全体の約6割を占める一方、「年間30万~100万円以上」の割合が約2割います(下記の表参照)。
年代別の推し活に年間でかける金額の最多は、すべての年代で「8万~10万円未満」でした。性年代別の傾向は、男性50代以上が「10万~15万円未満(23.5%)」と割合が高く、男性30代(7.0%)と女性30代(6.0%)は「100万円以上」の割合が高い結果でした。
自由に使えるお金を推し活にそそぎこむ“熱度”が高いのは?
自由に使えるお金のうち「どれくらいの割合を推し活に注ぎ込んでいるか」についてもうかがいました。全体で見ると推し活に注ぎ込んでいる金額の割合は40.08%でした。男女別に見ると男性37.30%に対し、女性が42.86%です。女性のほうがやや熱度が高い結果となっています(下表参照)。
年代別で見ると20代は、43.67%で他の世代に比べて推し活に自由に使えるお金を注いでいる傾向です。性年代別で最も割合が高かったのは、20代女性(46.65%)で、自由に使えるお金の半分近くを推し活に注いでいることがわかります。なお男性に限ると性年代別で最も割合が高かったのは20代男性(40.69%)でした。
「もっと推したい!」推し活するうえでの悩みは資金不足
推し活をするうえで、どのような悩みを抱えているかについても質問しています。全体で見ると悩みのベスト3は、1位が「推し活に使えるお金が足りない(37.2%)」、2位は「貯金ができない(33.9%)」、3位が「推し活をする時間が少ない(20.0%)」でした(下表参照)。
※ただし、「あてはまるものはない」を除く
年代別で見ると「推し活に使えるお金が足りない」と回答している割合が最も高かったのは、20代(46.8%)でした。また30代は「推し活をする時間が少ない(26.8%)」と「仕事の休みが取れない(24.8%)」という悩みを抱える割合が他の世代よりも高くなっています。
性年代別では、女性20代の53.5%が「推し活に使えるお金が足りない」という悩みを抱えているようです。また女性20代と女性30代の45.0%が「貯金ができない」を悩みに挙げています。男性30代は「周りの目が気になる(12.5%)」と「家族や友人に理解してもらえない(11.0%)」という悩みで他の性世代を上回っています。
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推し活する人の資産形成、男性は投資、女性はポイ活・中古品販売
全対象者に「お金を増やすために実施していること」についてもうかがいました。お金を増やすために実施していることベスト3は、1位が「ポイ活(67.9%)」、2位は「株式・投資信託(ETF含む)の投資(41.0%)」、3位が「食費の節約(37.3%)」でした(下記の表参照)。
年代別では、30~50代以上における「株式・投資信託(ETF含む)の投資」の割合が40%台と高く、特に50代以上は47.5%と年代別で最も高い結果でした。性年代別では、男性の30~50代以上の割合が50%台と高い傾向になっています。
また女性の20代と30代は「ポイ活や中古品の販売(フリマアプリなど)」が高い傾向があり、20代女性に限ると、「ポイ活(81.0%)」と「中古品の販売(39.0%)」の割合が特に高い結果でした。
あわせて今回の調査では「お金を増やすために今後実施したいこと」についてもうかがっています。割合が高かったベスト3は、1位が「副業(22.5%)」、2位は「収入増のための自己研鑽(資格勉強など)(16.9%)」、3位が「投資に関する勉強(16.4%)」という結果でした。
性年代別で見ると男性30代と男性40代は「副業」への意欲が高く、今後取り組みたい割合はいずれも約30%でした。また「株式・投資信託の投資(ETF含む)」への強い意欲を見せたのは、男性20代(18.5%)と女性30代(17.0%)でした。「株式・投資信託以外の投資(FXや金、不動産投資など)」に強い意欲を見せたのは、男性30代(25.0%)と女性30代(20.5%)でした。
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推し活する人が投資をする理由、3位は「推し活のため」
今回の調査では「投資を実施している」と回答した710名に対して、投資をする理由についても質問しています。1位は「老後の生活資金準備(67.9%)」、2位が「配当金や株主優待が欲しいから(40.1%)」、3位は「推し活のため(31.4%)」でした。
年代別で「推し活のために投資をしている」と回答した割合が最も高かったのは、20代(40.4%)でした。また「老後の生活資金準備のために投資をしている」と回答した割合が高かったのは、40代(71.7%)と50代以上(74.1%)でした。
性年代では、男性20~30代は、投資をしている理由として「推し活のため」が2位で、それぞれに40%台と高い割合を示しました(全体の平均は31.4%)。女性に限定すると投資をしている理由として「推し活のため」を挙げた割合が最も高かったのは、女性20代(33.3%)でした。
推し活する人の金融リテラシーは高めの結果に
今回の調査で注目すべきポイントは、推し活をする人の金融リテラシーが高い傾向が見られたことです。全対象者に「株式・投資信託を買った経験」についてうかがうと「株式や投資信託(ETFを含む)」の購入経験がある割合は55.3%でした。このうち「株式・投資信託の両方」を購入したことがある割合は30.5%でした。
性年代別では、男性30~50代で「株式、投資信託の両方」と回答した割合が半数近くと高い一方、女性20~40代では「いずれも買ったことはない」が半数以上と高い結果となりました。
最後に紹介するのは、NISAの認知度についてです。「内容を知っており、興味がある」と回答したのは全体の55.6%でNISAへの関心の高さを示します。
性年代別でNISAに特に関心が高かったのは、男性30代と男性40代で「内容を知っており、興味がある」と回答した割合がいずれも70%超でした。女性20~50代以上でも「内容を知っており、興味がある」と回答した割合は半数近くを占めます。
この調査の結果から、推し活をしている人の多くが投資に関心を示している可能性があることがうかがえます。
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