目標を達成するためのコーチング「ゴールベースアプローチ」とは
「一年の計は元旦にあり」
年始に何かしらの目標を立てる方は多いでしょう。しかし、目標は立てたものの、1年後に振返ってみて、目標を達成することができなかった経験も多いのではないでしょうか。今回は、かつて外資系でマネージャーをやっていた時代に経験した、目標達成確率を高めるコツをご紹介したいと思います。
外資では成果に関しては相当厳しく追及される場合もあり、目標を達成できない場合には、職を辞さなければならないケースもあります。ただし、単なる根性で成果を追及するというだけではなく、より効果が出せる組織づくり、目標設定等に関するビジネスメソドロジー的なアプローチも行っています。
以前に在籍した会社ではリーマンショック後に多くのマネージャーが会社を去り、私の責任で会社の目標を達成することを求められた時、外国人の社長からビジネスコーチを付けていただきました。これは私の人生にとって大きな財産となりましたので、今回ご紹介します。
「コーチング」と「ティーチング」
子どものころ野球、サッカーなどのチームに所属をしていた方にとってコーチという存在は「色々教えてくれる方」というイメージでしょう。ただ、本来コーチという言葉は、「馬車」を起源としており、「人をその人が望むところまで送り届ける」という意味で使われているそうです。つまり、コーチは「教える(ティーチング)」というよりも「人の目標達成を支援する」という意味なのです。
私はビジネスコーチの資格を保有している(先の経験からコーチングは有用と思い、コーチの資格(※1)を取得しました)ので、コーチングを受けるクライアントに対峙する時は、クライアントの言葉を引き出すことを一番に意識します。クライアントは自ら言った言葉から、新しい気づき、視点を得てもらったり、考え方の整理、行動の選択肢を増やしたりします。コーチはクライアントが自分の言葉から生まれた気づき(これを「オートクライン」と言います)を基に自走できるようにサポートすることになります。つまり、「コーチング」と「ティーチング」は大きく異なるのです。
※1 コーチの資格とは
資格取得の目的に合わせて、様々な企業や団体が資格を設けています。
(ご参考:一般財団法人 生涯学習開発財団https://www.gllc.or.jp/certified/activity/coacha/)
目標を達成できた経験は少ない
子どものころから私たちは様々な目標を立て、その目標を達成しようとしてきました。例えば、貯金、ダイエット、夏休みの宿題、資格試験等様々あったと思います。そういった過去に設定した様々な目標を振り返ってみると、達成できたものもあれば、達成できなかったものもあるでしょう。むしろ達成できなかったことの方が、多いのではないでしょうか。
達成できなかったことが多いのならば、達成できなかった原因の分析を等閑にしたままに未完了を繰り返しているのかもしれません。達成できなかった目標の中には、実は難易度が高すぎたもの、達成意欲が低かったもの、等様々あるでしょう。
実は「達成が可能な目標かどうかを判断できる」ことが重要です。例えば「ダイエットする」は目標とは言えません。コーチングの観点から言うと、「いつまでに具体的に何を達成したいですか?」、「達成したとき、どんな気分ですか」等、目標が達成されたかどうかが明確に判断できる状態として初めて「目標」と言うことができます。
「目標」を具体的な「行動目標」に変換する
コーチング的に言えば、「目標」を具体的な「行動目標」に変換することが重要だということになります。NISAが拡充され2024年から積立投資など個人の資産形成に更なる広がりが期待されます。これまで投資(資産形成)をしてこなかった方のなかにも、これを機に新たに積立を始めようと考える人たちも増えると思います。
コーチングの観点から「億り人」の実現性を考える
ネットの世界の流行り言葉で言うと、「億り人(資産運用で1億円以上の資産を形成した人)」を目指そうと、レバレッジの効いたNASDAQ(レバナス)等のリスクの高い運用を行う方も多いかもしれません。しかし、実は本当に1億円の資産を形成できる人は多くはないと思います。
これはコーチングの考え方から言うところの「達成可能な目標」かどうかということにかかわってきます。「目標」を具体的な「行動目標」に変換するという観点で捉えてみましょう。仮に10年で1億円の資産を作るとすると、単純計算で毎月83万円を積み立てることが「行動目標」になります。もちろん、株価の変動等もあるのでこの計算通りではありません。平均的な年収が443万円(※2)という中で、毎月83万円の積立はほぼ不可能でしょう。では、1,000万円を積み立てるとしたら、毎月8万3千円の積立ということになり、負担が苦しいことには変わりありませんが、まだ現実的です。
※2 令和3年分 民間給与実態統計調査
「行動目標」の適切な設定が重要
積み立てた1000万円を1億円にするためには、1000万円が10倍になることが必要な条件になりますが、それは株価など市場の変動次第のところもあり、時の運のようなところもあります。だから株価が10倍になるという前提は「行動目標」には置けませんし、やはり1億円は10年で達成可能な目標とするには現実的ではないかもしれません。もちろん、積立の期間を延ばす等時間をかければ、積立の金額も少なく出来るでしょうし、株価が10倍になるという機会も増すでしょうから、そういった投資期間を延ばすことで行動目標の現実性を高めていくという方法もあるでしょう。
達成可能な目標を立て、達成確率を見ながら継続する
コーチングの観点から、目標を達成するためには、「目標」を具体的な「行動目標」に変換する、ということを申し上げました。積立をするのであれば、達成可能な目標を立て、目標達成確率を見ながら(時には積立の金額も見直しながら)積立という行動を継続的に行うことで、その目標を達成できる可能性が高まります。これがゴールベースのアプローチになります。
ゴールベースアプローチを活用した資産運用
当社では「ゴールベースアプローチ」の手法で資産運用をナビゲートしてくれるアプリ「GoalNavi」を提供しております。サービスについて詳しくは、以下のページでご確認ください。
【筆者紹介】
田中祐一:ファンドマネージャー、アナリスト、財務企画を経験後、信託銀行で大手の顧客のアカウントを担当、その後外資系コンサル会社でクライアントサービス、コンサルティング担当の執行役員マネージングダイレクターを経験。2015年4月にニッセイアセットマネジメント(株)入社、商品ソリューション部門担当常務執行役員。
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