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推し活と資産運用、推しに会うための費用はどう捻出している?

ニッセイアセットマネジメントでは、推し活に年に6万円以上をかけている1,600人を対象に、推し活に使っているお金の内訳や、そのお金をどのように捻出しているかなどを調査しました。推し活に使っている費用で割合が高い項目は「ライブ、舞台、イベント参戦、試合観戦」と「グッズ、CD、DVD 購入」でした。

また対象者がお金を増やすために行っていることとしては、ポイ活(全体の67.9%)や投資(株式・投資信託41.0%、それ以外17.6%)などが挙げられました。そのなかで投資をしている人に対して、投資を行っている理由を尋ねたところ、トップ3は以下の通りでした。

・1位:老後の資金準備(67.9%)
・2位:配当金や株主優待が欲しい(40.1%)
・3位:推し活のため(31.4%)

特に男性の20~40代は、推し活のために投資をしている割合が高い(いずれも40%台)結果となりました。今回は、本調査の詳細を紹介します。

【調査対象】アイドル・スポーツ選手などへの推し活に年6万円以上を使用している方
【調査方法】マイボイスパネルを対象としたWEBアンケート調査
※ 抽出した対象者にメールで協力依頼を行い、目標回収数に達するまで回答をWEBで受け付ける手法。
※調査は「スクリーニング調査」と「本調査」を一本で実施
【調査時期】2024年7月12日(金)~7月17日(水)
【回答者数】1,600名
【調査機関】マイボイスコム株式会社

推し活の人気カテゴリーは、1位アイドル、2位アーティスト……3位は?

はじめに「どのようなカテゴリーの推し活が人気なのか」について確認してみましょう。回答結果は、以下の通りです。

推し活に関するグラフ1
推し活に関するグラフ2

推し活の人気カテゴリーベスト3は、以下のようになっています。

・1位:アイドル(30.0%)
・2位:アーティスト(24.5%)
・3位:アニメキャラ・ゲームキャラ(14.1%)

これに数ポイント差でスポーツ選手(12.3%)と続いています。

各年代の推し活の人気カテゴリー1位は、20~30代がアイドル、40~50代以上はアーティストでした。また50代の傾向として、他の世代よりもスポーツ選手の割合が高い結果となっています(例:20代8.5%に対して50代21.3%)。

性年代別のカテゴリー1位では、女性20代がアイドルの割合が48%と高く、男性50代以上と女性40~50代の約4割がアーティストでした。

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本調査では、具体的に「誰を推しているのか」といった名前・名称についても質問しています。すべてのカテゴリーを横断した総合ランキングTOP10は、以下の通りです。

推し活に関するグラフ3

秋元康プロデュースで立ち上げられた女性アイドルグループの乃木坂46(1位)、AKB48(5位)、欅坂46(7位)がTOP10入り。男性アイドルグループのSnow Man(3位)とSixTONES(4位)が上位に食い込んでいます。

一方、アーティストではB'z(8位)が唯一のランクインとなりました。スポーツ選手では、大谷翔平(2位)と羽生結弦(9位)、アニメゲームキャラクターでは、ちいかわ(6位)と初音ミク(10位)が人気を博しています。

カテゴリー別の推し活ランキング アーティスト部門で1位はB'z

次にカテゴリー別の推し活ランキングの結果を紹介します。

推し活に関するグラフ4

【アイドル部門】
以下の5組のアイドルは、すべて総合ランキングTOP10入りしています。

【アーティスト部門】
B'zや福山雅治、スピッツなどベテランアーティストが上位にランクインしています。BTSや東方神起など韓流アイドルも根強い人気です。

【スポーツ選手部門】
スポーツ部門では、大谷翔平が圧倒的な支持を得ています。宇佐美貴史はガンバ大阪所属、松木玖生(くりゅう)はFC東京所属のJリーガーです。

推し活に関するグラフ5

【アニメゲームキャラクター部門】
比較的、新しいキャラクターの“ちいかわ”が人気です。一方でポケットモンスターやガンダムなど歴史のあるアニメも根強い人気となっています。

【YouTuber・VTuber部門】
この部門では、YouTube初期から活躍し続けるHIKAKINとヒカルの二大巨頭が存在感を放っています。

【声優部門】
声優部門1位の水樹奈々は、アニメ声優のほかにゲームキャラの声優としても有名です。

どのように推し活をしている?ライブなどで実際に会いに行くことが多い

次に推し活の中身についてみなさんにうかがいました。その内容をまとめたのが下記の図表です。

推し活に関するグラフ6
推し活に関するグラフ7

まず全体で見ると「ライブ、舞台、イベント参戦、試合観戦」と「グッズ、CD、DVD 購入」が70%台と高い割合です。性年代別に見ると女性50代以上は「ライブ、舞台、イベント参戦、試合観戦」が90%で全体平均の76.7%を13.3ポイント上回っています。

また女性30代は「グッズ、CD、DVD 購入」が88.5%、女性20~30代は「自分磨き(ネイル・ヘアセットなど)」が30%台とそれぞれに全体平均を上回っている状態です。なお女性は、すべての年代で「ファンクラブ入会の割合が高い」という特徴があります。

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推し活に使っているお金の内訳は?50代以上は遠征に積極的

今回の調査では、推し活に使っている費用の項目と内訳(※)についてもうかがいました。結果は、以下の通りです。
※推し活に使用する金額の配分を合計100%とした場合、項目ごとの配分はどれくらいか?を調査

推し活に関するグラフ8

【交通費・宿泊費】全体平均19.63%
男性、女性ともに50代以上が性年代別で最も高く、推し活で遠征していることがうかがえます。また「一都三県以外に住んでいる人の割合が高い」という結果も出ています。

【ライブ、舞台、イベント参戦、試合観戦】全体平均37.76%
性年代別で最も高かったのは、男性50代以上で42.64%でした。女性の性年代別に限ると、50代以上が39.73%と最も高い割合です。

【有料コンテンツの閲覧・視聴】全体平均13.95%
性年代別で最も高かったのは、男性50代以上(20.78%)、女性の性年代別に限ると最も割合が高かったのは40代(13.21%)でした。

【グッズ、CD、DVD 購入】全体平均31.82%
性年代別で高い割合だったのは、男性20代(36.96%)と男性40代(36.52%)です。

【ゲーム課金】全体平均26.45%
性年代別では、男性20代(37.54%)、女性20代(33.82%)が高い割合となっています。

【プレゼント】全体平均11.43%
年代別で最も高かったのは、30代で13.21%でした。性年代別では、男性30代(15.33%)と女性40代(17.22%)が高い割合という結果です。

【ファンクラブ入会】全体平均9.70%
年代別では、大きな差は見られませんでした。しかし性年代別では、男性20~40代がいずれも10%以上でやや高めの割合という結果です。

【投げ銭(スーパーチャットなど)】全体平均21.37%
性年代別で最も割合が高かったのは、男性50代以上の30.67%となっています。また全体平均を上回ったのは、男性の40代以外と女性40代でした。

【推し活仲間とのコミュニケーション】全体平均11.54%
年代別では、30代の12.24%が全体平均よりもやや高く、性年代別で最も高い割合は、男性50代以上の13.65%でした。

【自分磨き(ネイル・ヘアセットなど)】全体平均14.10%
性年代別で最も割合が高かったのは、男性30代の16.41%でした。女性は、30~50代以上が全体平均を上回っています。

参考までに、ここまで紹介してきた項目に含まれない「その他」は6.59%でした。

推し活にかかる費用の捻出方法は?投資をしている理由の3位は「推し活のため」

回答者のうち投資をしている人に「現在、投資を実施している理由は?」と質問したところ以下のような結果になりました。

推し活に関するグラフ9
推し活に関するグラフ10

回答割合が高かった理由のトップ3は、以下の通りです。

・1位:老後の資金準備(67.9%)
・2位:配当金や株主優待が欲しいから(40.1%)
・3位:推し活のため(31.4%)

参考データとしては、回答者に「お金を増やすために、あなたが現在実施していること・今後実施したいこと」をうかがうと、以下のような結果になりました。

推し活に関するグラフ11

回答者全体で見ると、割合が高かったのは「ポイ活(67.9%)」と「投資」です。投資の内訳は、以下のようになっています。

・株式・投資信託(ETF含む):41%
・株式・投資信託以外の投資:17.6%
・投資に関する勉強:21.9%

性年代別で見ると、ポイ活の割合が最も高かったのは「女性20代」、投資の割合が最も高かったのは「男性40代」でした。傾向では「男性の30~50代以上」は投資の割合が高く、「女性の20~30代」はポイ活・中古品販売の割合が高い結果となっています。

推し活の費用を捻出するために投資をしている人も多い

一般的な投資目的として多いのは「老後資金の準備のため」「子どもの教育資金などのため」などが挙げられます。今回の調査で興味深かったのは、推し活で年間6万円以上を使う人の場合、「推し活のため(推し活の費用を捻出するため)」に株式や投資信託、FX、金、不動産投資などの投資を行っている割合が高いという点です。この結果に基づくと「趣味のために投資をしている」という人が一定数存在する可能性も考えられます。

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なお、本調査結果を利用したい方は、クリエイターへのお問い合わせ(noteアカウントが必要となります)等でご連絡ください。


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