それiDeCoと新NISAなら、もっとお得に貯められます
最近、友人夫婦に待望の第一子が生まれたので、お祝いに行ってきました。
夫42歳、妻40歳、お互い長らく独身生活を謳歌し、お金は使うことは得意だけど、貯めるのは苦手と口をそろえて笑う二人、いや、幸せそうでなによりです。
とはいえ、親になったわけですから、子どもの教育資金のためにお金を真剣に貯めようと決意したそうです。
まず、子どもの祖父母にあたる自分たちの親に相談したところ、教育資金を貯めるなら学資保険がいいとアドバイスされたが、それ以外の方法はないか、悩んでいるとのことでした。
「今42歳だから子どもが大学に入学する頃は、ちょうど60歳。
働ける期間も限られてくるし、お金はできるだけ増やしながら貯めたいな。」
と困り顔の友人。
「ちょうど60歳」で、私がピンときたのがiDeCoです。
iDeCoは老後資金を貯める手段として知られていますが、友人のように40代で教育資金を貯めようという方には教育資金作りにも、いい選択肢になることに気づきました。
老後資金だけじゃない!iDeCoの活用
iDeCoは、毎月掛金を積立てながら、運用してお金を増やすこともできますし、運用益は非課税です。
60歳以降に受取る時も積み立てた期間に応じて税制優遇措置があるので、友人の場合、42歳から始めて60歳まで18年間積立てると、720万円まで非課税で受取ることができます。
例えば、月23,000円を積立てて、年率3%で運用できれば、18年間で657万円ほどになります。
先ほどご紹介した受取る時の税制優遇枠720万円以内におさまるため、税金はかからず受取り可能です。
仮に、友人の運用が上手くいき、受取り金額が税制優遇枠720万円を上回ると、超えた金額は課税対象となりますが、iDeCoの場合、超えた金額の2分の1に分離課税で税金が計算されるため、税金はほとんどかからず受取ることができると考えられます。
さらに、iDeCoを使うメリットは、毎月積立てる掛金が所得控除になることです。iDeCo公式サイトのかんたん税優遇シミュレーションを使って、簡易的に計算してみると、収入から引かれる所得税と住民税が18年間で99万円ほど安くなります。
(前提条件:月23,000円、18年、年収545万円(男性平均年収 国税庁令和3年民間給与実態統計調査)、1年のiDeCoによる税制優遇額×18年で算出)
※あくまで簡易的なシミュレーションです。シミュレーションの前提などはiDeCo公式サイトをご参照ください
ご参考:iDeCo公式サイトのかんたん税優遇シミュレーション
所得控除で浮いたお金を塾の費用などに使うこともできますし、さらに増やすことを考えるなら、新NISAを使って運用することもおすすめです。
もうひとつの選択肢、新NISA
新NISAは、現行の一般NISAとつみたてNISAを改正し2024年からスタートする新制度です。
iDeCoと同様に運用で得た利益は非課税となります。
iDeCoとの違いは、年齢に関係なく引き出しはできるけど、積立てるお金は所得控除になりません。
また、1年の上限額はつみたて投資枠120万円、成長投資枠は240万円でそれぞれ併用ができます。
一生涯の非課税枠は1,800万円で、引き出して空いた枠は再度利用できることが特徴です。
例えば、月3万円を18年積立てて年率3%で運用できれば、積立て元本648万円、運用益209万円ほどとなり、合計でおよそ857万円になります。
大学入学などで資産を売却すれば、その分の非課税枠が復活するため、その後は老後資金準備などにも利用することができます。
思い込みは禁物、自分に合った貯め方を
「iDeCoやNISAは聞いたことはあったけど、なかなか調べてやってみようとする、きっかけがなかったからいい勉強なったよ」と、スッキリした様子の友人。
その後、教育資金は確実に貯めたいし、節税もできるからと、途中で引き出せないiDeCoを活用、さらにiDeCoの所得控除でお得になった税金分と合わせて新NISAでも積立てを始めることにしたそうです。
今回の友人のケースのように、教育資金や老後資金などゴール(目標)があると、自分に合ったお金の貯め方が見つかりやすいです。お金を貯める手段はいろいろあるので、いくつかの方法を比較検討することを心がけましょう。
なお、今回の記事は筆者個人の見解であり、当社の公式な見解を示すものではありません。
また、税務等に関する情報は常に正確であることを保証するものではありません。必ず公式の情報源をご確認ください
投資等にあたっては各種の情報にあたり、ご自身の判断にて実行されますようお願いします。
(ご参考)
運用シミュレーション:金融庁 NISA特設ウェブサイト 資産運用シミュレーション
iDeCo所得控除:iDeCo公式サイト かんたん税制優遇シミュレーション
前提条件:月23,000円、18年、年収545万円(男性平均年収 国税庁令和3年民間給与実態統計調査)
【著者紹介】
松本イデ子:大手証券会社と都市銀行で個人の資産運用相談を担当。その後、確定拠出年金の運営管理業務に10年以上従事し、投資教育の企画立案や事業主サポートを経験。
ニッセイアセットマネジメントではiDeCoや企業型DC業務を担当。
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