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(イベントレポ)砂漠に咲く薔薇 サヘル・ローズの軌跡

はじめに

当社ニッセイアセットマネジメントは、5月30日に、お客さまを招いたハイブリッド・イベントを行いました。

人的資本経営をテーマとした二部構成で、第二部では、当社社長の大関が、イラン人の俳優であるサヘル・ローズ氏(以下、サヘルさん)にお話を伺いました。

では、お伺いした内容を、サヘルさんの過去と現在、そして未来の視点から紹介していきます。現在の視点では、サヘルさんが周りに伝えたいメッセージを中心に執筆します。

サヘル・ローズさんイベントでのの様子1
サヘル・ローズさん

サヘル・ローズさんの過去

まずは、サヘルさんの過去を箇条書きにしちゃいます。

・4歳で孤児
・7歳で養子縁組
・8歳で養母と来日
・養母の夫から虐待
・養母とホームレス生活
・いじめと差別を経験
・自殺を決意

いや、、、これは、壮絶な人生ですね…。

では、ひとつずつ、イベントで語られたサヘルさんの言葉をお借りして、補足していきます。

・4歳で孤児

・イラン・イラク戦争のさなかに孤児に。

・サヘル・ローズという名前は、7歳のときに養子に引き取ってくれた養母が、砂漠のように過酷な状況でもちゃんと咲いて、そして、美しく枯れて行ってほしいという願いを込めて、名付けてくれたもの。生まれたときにつけられた名前も、いつどこで生まれたのかも、分からない。

・7歳で養子縁組

・養母はロイヤルファミリーの家系で、テヘラン大学の博士課程修了までもう一歩のところで、身体にメスを入れてまで子どものできない身体になって、そして、親の反対も押し切って、養子に取ってくれた。

(※当時のイランでは養子縁組できるのは、子どもができない身体である決まりがあったそうです。)

・8歳で養母と来日

・8歳まではイランで生活するも、親の力も借りられず、イランで女性が一人で子育てするのは大変で、当時、養母のフィアンセが日本にいたため、日本で生活することになった。

・養母の夫から虐待

・日本で生活できるようになったと思ったら、日本での生活は義父からの虐待に繋がり、真冬に家を出ることになった。

・養母とホームレス生活

・養母とのホームレス公園生活では、2週間連続でスーパーの試食コーナーを回り続けたこともあった。

ここで、サヘルさんは、スーパーを2周すればフルコース、運が良ければデザートも食べることができたと明るく笑いました。辛い体験に息をのむシーンなので、サヘルさんらしい視聴者への配慮ですね。

・試食販売員さんに呼び止められたので、怒られると思ったら、ありったけの食べ物が詰まった袋を渡された。日本語は分からなかったけれど、親切心は分かる。昔は、こういった「おせっかい」があったから、なんとかなった。

・いじめと差別を経験

・小学校には給食のために通っていた。毎日同じ洋服を着ていたからか、給食調理員さんが何かがおかしいことに気づいてくれて、手を差し伸べてくれた。衣食住を与えてくれ、彼女もシングルマザーなのに、弁護士費用を払ってくれたおかげで、日本にいられるようになった。

・イランに帰らなかったのは、養子縁組後に離縁したら、養子は施設に戻されるから。

・それからは、養母が清掃業の仕事をすることで、私は生きる権利と人権をもらったが、今度は、中学の3年間、いじめられて苦しかった。言葉の暴力よりも殴られるほうがましなことが分かった。殴る場合、相手も手が痛くなるし、やっちゃったっていう感覚があるけれど、言葉の暴力は相手が傷ついているのが見えないからエスカレートしてしまう。受けた言葉がトラウマになってしまう。

You Tubeの東スポチャンネルでも、サヘルさんの半生が紹介されています。補足できなかった内容もカバーされています。


サヘル・ローズさんの現在

サヘル・ローズさんのイベントでの様子2

サヘル・ローズさんの過去で紹介させてもらったような凄まじい過去を持つからこそ、人の心が分かり、思いやりに溢れるサヘルさん、芸能活動以外にも、国際人権NGOの「すべての子どもに家庭を」の活動で親善大使を務めた経験もあり、公私に渡る支援活動が評価され、2020年にはアメリカで人権活動家賞を受賞しています。

そんなサヘルさんが、イベントで語られた、周りに伝えたいメッセージの一部を紹介します。

・人は、苦しみからいろいろ学ぶ。

・人間は、成功していたら成長していない証拠。私は失敗談をいつも読んでいるが、失敗談のほうが視点や発見がある。

壮絶な過去を持つサヘルさんの口からこの言葉を聞くと、言葉が心に染み渡ります。

・学べる環境にいなかったため、知的障がい者なのかと言われたこともある。よく普通はこうだからって言うけれど、「普通」っていう言葉を振りかざしてしまうのは、自分とは合わない価値観が目の前に現れたとき。日本には、十人十色という美しい言葉があって、普通はこうだから、何でできないのっていうのは押し付けあうことで、相手にとって苦しいこと。違っていることは魅力。

・人は50.50で歩み寄るのが必要。問題が繰り返されるのは対話をしないから。言葉を交わすのを放棄したとたんに分断が始まる。日本では、会話を合わせることは得意なのに、他と意見が違った瞬間、壁が一気に出てきて、置き去りにされてしまう。対話は衝突して当たり前。

・日本にも闇がある。貧困や虐待がある。児童養護施設は600以上あり、45,000人以上の子どもたちがそこで暮らしている。生い立ちが不運っていうだけで片付けてはいけない。才能ある人への投資が必要。人を育てることは、自分自身をも育てること。人を育てるためには、信じることが一番。私の場合、自己肯定力を上げてくれた養母や、社会が私を信じてくれたことが大きかった。

・何かに、投資をしても芽はすぐに出ない。例えば、私のいる業界は、3か月3か月で番組の視聴率を見るが、期間が短すぎる。猶予を与え、芽を潰さないことが大事。

これは、サヘルさんが薔薇を守る要領と一緒ですね。


・手は二つしかない。抱えきれない問題に飛び込む必要はなく、自分のできる一歩を踏み出し、抱えられることをやる。千人抱えられなくても、一人二人を抱えれば、その一人二人がやがて千人の力を持つようになる。

一人二人が千人の力を持つ。奥深い言葉ですね。私達ニッセイアセットマネジメント一同も、優しさは伝播していくと信じています。

・会社で居場所を失ったりした人のためのコミュニティを作っている。あらゆる年代の人がいて、傷ついた人だらけ。人と向き合うときに、素直な自分でいたいと思っている。弱くなっている人に大丈夫って背中を押しても、その人は倒れてしまう。自分のタイミングで歩き出せるまで、横に座っている。分かるよとも言わない。頑張ろうとも言わない、頑張れないんだから。同じ人間として相手の立場になって考え、横に座って寄りかかれるようにしてあげる。そうすると、誰かのまぶたの裏側に存在することができる。

サヘル・ローズさんの未来

未来は誰にも分かりません。でも、ひとつだけ。

日本の映画監督である岩井俊二監督が、サヘルさんに映画監督をやることを勧めたそうで、実際に、施設の子達に演技してもらって監督を務めた映画がもうすぐ完成する予定とのことです。サヘルさんらしいタッチの映画を見ることができそうですね!

筆者は、サヘルさんの優しさが、千人の力に変っていく軌跡と奇跡を今後もウォッチしていきたいと思います。

終わりに

最後に、サヘルさんのトークショーは、臨場感があります。サヘルさんの書籍に載っていないことなどもお話されるので、機会がありましたら、いかがでしょうか?

サヘルさんの当面の予定はこちらから確認できます。

今回のトークショーとは趣の異なるショーですが、ご本人のツイッターで告知していたケースもあるので、ツイッターも要チェックですね。

https://twitter.com/21Sahel

イベントこぼれ話

あるイベントで、当社社長の大関がサヘルさんとご挨拶させてもらったご縁をきっかけに、筆者はサヘルさんの発信を見聞きするようになりましたが、その内容に感銘を受け、いつかサヘルさんに当社のイベントに登壇してもらいたいと思っていました。

そして、当初3月8日の国際女性デーに行う社内オンラインイベントでお話をしてもらうという企画を考え、進めていたのですが、スケジュール調整の難航などから、招聘は見送らざるを得なくなってしまいました。

立ち消えかけていた企画を復活させてくれたのは、国際女性デーを含むサステナビリティ関連の社内イベントを一緒に企画運営している別の部門にいる先輩でした。先輩が、部門内でかけあって、年間計画にねじ込み、サヘルさん登壇企画を復活させてくれたのです。

イベントの方向性はだいぶ変わりましたが、無事にサヘルさんに登壇してもらうことができました。Good end!

【筆者紹介】
Michi:日本生命ロンドン現地法人入社後、PAやリサーチを担当。​日本生命グループに数年のブランクを経て入社したニッセイアセットマネジメントでは、経営管理時代よりESG活動に従事し、ESG推進部発足当時からの唯一のメンバー。JSIF(日本サステナブル投資フォーラム)の運営委員も務める。
 過去の対外活動には以下が含まれる。
・PRIアウェアネスWG事務局
・PRIアウェアネス・レイジングWG運営委員
・PRIコーポレートWG運営委員
・PRI SDGs in Active Ownership メンバー
・21世紀金融行動原則周年記念TFメンバー

・当資料で、筆者の紹介のある記事においては、掲載されている感想や評価はあくまでも筆者自身のものであり、ニッセイアセットマネジメントのものではありませんが、ニッセイアセットマネジメントと筆者との間でこれらの表示に係る情報等のやり取りを直接的又は間接的に行っているため、実質的にはニッセイアセットマネジメントの広告(「不当景品類及び不当表示防止法」におけるニッセイアセットマネジメントの表示)等に該当する場合がございますので、ご留意願います。

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