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海外セレブはいかにして大金持ちになったのか?お金に働いてもらう富裕層の思考

野村総合研究所によると、日本で「富裕層」と呼ばれるのは「世帯の純金融資産保有額が1億円以上」の人々を指し、その割合はわずか3%ほどに過ぎません。また金融資産1~5億円の富裕層のうち約3分の1が事業オーナーであることが分かっています。

世帯の純金融資産保有額

 では、海外セレブはいかにして大金持ちになったのでしょうか。
 

もちろんなかには、映画や音楽、スポーツなどのエンターテインメント業界で成功を収め、個々の才能や人気を通じて巨額の収入を得ている人もいるでしょう。しかし海外セレブに代表される富裕層は、投資活動も顕著です。

そこで、今回は海外セレブがいかにしてお金持ちになったのか、海外セレブが事業に投資する理由も含めて紹介していきます。

海外セレブたちの多くも事業に投資している

ハリウッドスターやアーティストといった海外セレブのなかには、エンターテインメント業界での成功だけではなく、投資家としても有名な人物は少なくありません。ここでは、投資家としても有名な海外セレブを4名紹介します。

●ロバート・デ・ニーロ

ロバート・デ・ニーロは『タクシードライバー(1976年)』や『レイジング・ブル(1980年)』など数々の有名作品で知られる俳優です。2023年には、7人目の子どもが産まれたことで話題となりました。そんな彼も投資活動に積極的であり、日本人シェフである松久信幸の高級和食レストラン「NOBU」を支援しています。

また、その松久氏も含めたメンバーで2013年にはホテル事業も手掛けています。ラスベガスに「ノブ・ホテル・シーザーズ・パレス」をオープンさせたのを皮切りに、欧州、南米、アジア、アフリカにもホテルをオープンさせています。

●レオナルド・ディカプリオ

レオナルド・ディカプリオといえば1997年公開の映画『タイタニック』で一躍スターとなりました。また2013年の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』や2021年の『ドント・ルック・アップ』など数々の名作で主演を務めてきたハリウッド俳優としても世界的に有名です。そのレオナルド・ディカプリオは、2011年からスタートアップ投資を始めています。

例えば、日本でも知られるスニーカースタートアップの「Allbirds」を筆頭に、さまざまな企業に投資しているのです。2011年には、写真や動画を共有できるアプリ「Mobil Media」に400万米ドル(1米ドル=145円として約5億8,000万円)を投資し大きな話題を呼びました。

他にも家庭で分子レベルのバイオデータを分析するヘルスケア・ソリューション「Cue Health」やマットレスなど寝具を販売する「Casper」などが挙げられます。レオナルド・ディカプリオは、環境や健康に関わるスタートアップ企業の支援に熱心であり、彼の投資家としての手腕には仲間内でも定評があるようです。

●ジャスティン・ビーバー

ジャスティン・ビーバーは、世界的な人気を誇るカナダのミュージシャンです。彼は、音楽活動にとどまらず投資活動も行っています。ウェブ版ビデオチャット・サービス「Tinychat」やソーシャルゲーム会社「Sojo Studios」、定額制音楽ストリーミングサービスの大手「Spotify」などに投資しています。

また、暗号資産で決済できるオンラインサービス「MoonPay」にも出資しています。MoonPayには、そのほかに俳優のブルース・ウィリスやテニス選手のマリア・シャラポワなどが出資者として名を連ね、約8,700万ドル(1米ドル=145円として約126億円)を出資しているといいます。

●マイケル・ジョーダン

マイケル・ジョーダンは、米国のNBA「シカゴ・ブルズ」などで活躍した伝説の元プロバスケットボール選手です。彼のシグネチャーシューズ「エアジョーダン」は、ナイキを一躍トップブランドに押し上げたほどの人気で、ニューヨークやシカゴなどでレストラン経営を行うなどビジネス面においても成功しています。

そんな彼もまた投資活動をしており、NBAのプロバスケットボールチーム「シャーロット・ホーネッツ」のオーナーでした。現在はチームを手放していますが、2010年に買収した価格は2億7,500万ドル(1米ドル=145円として約398億円)で、売却した価格は30億ドル(1米ドル=145円として約4,350億円)との報道があることから、約10倍で売却したことになります。

なぜ海外セレブは事業に投資するのか?

海外セレブが積極的に事業に投資する背景には、いくつかの理由があります。

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●金融リテラシーが高い傾向にある

セレブに限りませんが、金融教育の充実などによる、金融リテラシーが高さが要因として考えられるかもしれません。金融リテラシーは、自身の資産運用や、さまざまな投資機会の見極めに役立つ可能性があります。

そもそも金融リテラシーとは何でしょうか?政府広報オンラインでは以下のように定義しています。

「金融リテラシー」とは、経済的に自立し、より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のことです。
引用:政府広報オンライン「『金融リテラシー』って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力」より

日本では、子どものころから金融リテラシーを育む目的で、2020年度から小学校、2021年度から中学校、2022年度から高校で金融教育が義務化されています。まだ始まったばかりですが、金融リテラシーが高まることのメリットはいくつかあります。

・家計管理がしっかり行える
・お金の準備ができるのでやりたいことができる
・怪我や病気、突然の収入源などに備えることでリスクに強くなる
・お金に関連するトラブルを回避しやすい
・経済的自立ができ、良い暮らしをおくれる
参照:政府広報オンライン「『金融リテラシー』って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力」

若いうちから金融リテラシーを身につけられれば、将来のお金に関する不安もやわらげることが期待できます。

では、具体的にどのような知識や判断力をやしなえば金融リテラシーが高まるのでしょうか?前出の政府広報オンラインでは、具体的に「(1)家計管理」「(2)生活設計」「(3)金融と経済の基礎知識と金融商品を選ぶスキル」「(4)外部の知見の適切な活用」を身につけるべきだとしています。

ここでは「(3)金融と経済の基礎知識と金融商品を選ぶスキル」について、さらに詳しく解説しましょう。

まずは「金融取引の基本としての素養」で身につけるべきこととして、以下の3点が挙げられます。

・パソコンやスマホでのインターネット取引のメリットや注意点を理解する
・取引する業者や入手した情報の信ぴょう性を確認する
・契約時に契約書を読むこと、日付・金額・条件などを確認すること、不明点を明確にすることを習慣にする

次に「金融分野共通」として身につけるべきことは2つです。

・金利(単利・複利)やインフレ、デフレ、為替リスクなどの基礎知識、世界的な金融経済情勢が影響することを理解する
・取引することで手数料などのコストが発生することを理解する

「保険商品」では以下が挙げられています。

・どのような事態(災害や病気、死亡など)が起こったら保険でカバーしたいかを考える
・上記で考えた事態が起こった場合に必要になる金額を把握する

投資や保険よりも身近な「ローン・クレジット」については以下です。

・住宅ローンを組む際に返済計画を立て、返済可能な借入限度額を理解する
・住宅ローンを組む際に突発的な事態が起こっても返済できるように備えておく
・カードローンやクレジットカードを無計画に利用しない

最後は「資産形成商品」について身につけるべきことです。

・ハイリターン商品はハイリスクであると理解する(ローリターンはローリスク)
・分散投資(運用資産の分散、時期の分散)の効果を理解する
・長期で運用することの効果を理解する

以上です。

より詳しく知りたい方、ほかの(1)(2)(4)についても知りたい方は、金融広報中央委員会の「金融リテラシー・マップ」をご覧になると良いでしょう。

●周りの人材が有能

海外セレブが事業に投資をする際、周りの人材が有能な(優れた人脈が集まる)点も考えられる理由の一つです。

富裕層が資産運用を相談するのはおおむね以下です。

・金融機関
・証券会社、保険会社
・独立系FP(IFA) など

今のうちから、上記との関係性を築いておくのも大切です。

上記以外では、成功者同士が交流する環境に身を置くことで、資産形成に関わる有益なアドバイスをもらったり、ビジネスにおいてともに成長できる仲間を見つけたりしやすくなります。

良好な人脈を築くことで成功への道がよりスムーズに拓けるといえるでしょう。

●異業種でも成功しやすい

成功を収めた分野で培ったノウハウや人脈を活かし、異業種への投資も行うのが海外セレブの特徴といえるでしょう。これにより成功体験を積み重ねた分野以外でも成功する可能性があります。多岐にわたる分野での投資活動は、リスク分散や新たなビジネスチャンスの発見につながります。

アパレルのEC事業で成功を収めた前澤友作氏は、社会課題を解決する事業、趣味を追求する事業の全13業種に出資しました。

・フィンテック事業
・ペットを幸せにする事業
・ひとり親の養育費保証事業
・サバの養殖事業
・プライベートジェット事業
・医療介護マッチング事業
・海中旅行事業
・子どもの才能を伸ばす事業 など

総じて海外セレブが事業に投資する背景には、高い金融リテラシーや卓越した人脈、幅広いビジネス経験を活かして新たな成功を追求する姿勢があるといえるでしょう。

富裕層はお金に働いてもらうのが上手

資産を増やす手段として、海外セレブたちは成功から得た資金を積極的に事業に投資し、これにより資産形成をしています。つまり「お金に働いてもらうこと」が非常に上手といえるでしょう。

海外セレブや事業オーナーなど富裕層の多くは、資金形成においてプライベートバンクを活用したヘッジファンドへの投資をしています。ヘッジファンドは、相場が上がった場合下がった場合のどちらでも利益追求を目的としています。簡単にいうと「お金持ちだけが買える投資信託」のようなものです。

資金が豊富な富裕層は、プライベートバンクを通じて専門家(ファンドマネージャー)の助言を得ながら利益を求められます。富裕層に近づくためには、投資額を増やしていくことが初めの一歩となりそうです。

まずは一歩踏み出してみる

「海外セレブ」や「富裕層」のように多額の資金がなくても、お金に働いてもらうことはできます。
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