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含み益は極力温存~複利効果を最大限享受~

長期投資は、ほったらかしが良い?Part2

第2回、02『“ほったらかさない”長期運用とは ~ピンチをチャンスに、買い直しの効用~』では、含み損が出ている商品はほったらかさずに買い直しをすると良い、とお伝えしました。

それでは、逆に含み益が出ている商品についてはどうでしょうか。答えは、できるだけほったらかした方が良い、です。なぜ、ほったらかした方が良いのか、その謎をひも解くためには”複利効果”が鍵になっています。

複利は人類による最大の発明

20世紀で最も偉大な物理学者として知られるアインシュタイン博士は、「複利は人類による最も大きな発明である」と述べています。
複利とは、運用で得た利益を元本に加え、再び投資することで「元本のみならず、利益が利益を生む」という考え方の事です。複利の対義語には単利という考え方があり、「最初の元本のみが利益を生む」という考え方です。

例えば、手元に100万円があり毎年10%の利益を生む運用を行うとします。
「単利」の場合、元本である100万円の10%である10万円が毎年の利益となります。

一方、「複利」の場合は、1年目は100万円の10%である10万円が利益となりますが、2年目は、元本に1年目の利益を上乗せした110万円の10%である11万円が利益となります。同様に3年目も121万円の10%である12.1万円が利益となります。3年後には、「単利」の場合は130万円に、「複利」の場合は約133万円になります。

【単利の場合(年率10%)】

【単利の場合(年率10%)】

【複利の場合(年率10%)】

【複利の場合(年率10%)】

「複利」により利益が利益を生み出し、資産が増えていくイメージがお分かりいただけたかと思います。この効果は、長期投資になればなるほど大きくなるため、含み益が出ている商品は、できるだけほったらかすことで、複利効果を最大限に引き出すことが期待できます。

含み益は極力温存

含み益を温存することによるメリットについて、具体的な数字を用いて考えてみましょう。

例えば、あなたは投資を続け、投資額がNISA口座の非課税枠上限である1,800万円に到達したとします。その時点をスタートとし、毎年5%の利益を生む運用を行うとした場合の以下の2つのケースについて、20年後の資産残高について考えてみます。

①毎年利益が出た部分を取り崩すケース、② 20年間ほったらかしたケース

【① 毎年利益が出た部分を取り崩すケース】

1年後には1,800万円の5%である90万円が利益となりますが、それをすべて取り崩すため、2年後以降も毎年90万円の利益となります。20年後の資産残高はスタート時の1,800万円と20年間の利益1,800万円を加えた3,600万円となります。NISA口座で運用した場合、この利益が全て非課税となります。これだけでもすごいですが、②のケースを見てみましょう。

【② 20年間ほったらかしたケース】

利益が出てもほったらかすことで複利効果を最大限に引き出した結果、20年後の資産残高は4,776万円となっています。①と比べるとその差は1,000万円以上です。もちろん、こちらも利益はすべて非課税です。

【1,800万円を毎年5%で20年間運用したと仮定した場合】

【1,800万円を毎年5%で20年間運用したと仮定した場合】

※当シミュレーションは費用・税金等は一切考慮していません。また、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
※シミュレーションの結果は、あくまで参考情報であり、実際の運用とは異なります。一定の仮定や前提条件をおいて試算していますが、経済状況や市場環境等は変動し、仮定や前提条件通りとならないことから、実際には当シミュレーション通りの結果とならないことにご留意ください。

このように、含み益をできるだけ温存することで、複利効果を最大限に引き出し、同じ期間でも時価(評価額)を大幅に増加することができるのです。
利益が出ていると、価格の変動に気を取られて早く利益を手にしたくなる方は多いかもしれませんが、そこをぐっと堪えほったらかすことで、できるだけ含み益の拡大を目指しましょう。

【次回】非課税メリットの最大化を~新しい NISA で目指すべき姿~



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